米国でスマートメーターのデータを警察へ提供 麻薬栽培摘発の名目 “監視の道具”の懸念が現実に

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 スマートメーターが取得する30分ごとの電力使用量データから、その家庭の生活パターンや、どのような家電を使っているかの生活情報がある程度分かることから、監視の道具になると懸念されていました。その懸念が現実になりました。デジタル世界における市民的自由を守ることを目指す米国の非営利団体「電子フロンティア財団(EFF)」が7月21日に報告しました[1]。EFFなどは2022年に、SMUDとサクラメント市を提訴しているとのことです。
 同団体によると、過去10年間、カリフォルニア州サクラメント市営電力公社(SMUD)は全顧客のエネルギーデータを精査し、33,000件以上の「高使用世帯」を警察に通報してきました。大麻の違法栽培を行っている住宅を探すためという理由でしたが、SMUDの分析官は、そのような「高電力使用量」は、エアコンやヒートポンプを使用している住宅、あるいは単に規模が大きい住宅からも発生し得ると認めています。
 そして、いわゆる「疑わしい」とされる基準値は次第に低下し、2014年の月間7,000kWhから2023年にはわずか2,800kWhにまで下がりました。あるSMUDの分析官は、自身が「先月は3500(kWh)使った」と認めました。

アジア人差別と結合

 実際には、基準値を超えたすべての顧客ではなく、その中から、アジア系顧客を標的にしてきました。SMUDの分析官はある住宅を「4000(kWh)、アジア系」などの理由で「疑わしい」と判断していました。あるベトナムからの移民は、保安官代理が予告なく自宅に現れ、SMUDの通報に基づき大麻栽培の虚偽の容疑をかけられ、捜索のための立ち入りを要求され、拒否すると逮捕をほのめかされました。彼は大麻を栽培したことは一度もなく、脊椎の負傷により平均以上の電力を消費しているだけでした。
 大麻栽培と電力使用の関係について、参考までに、千葉県警のウェブサイト[2]の記載を紹介します。
 同サイトには、以下の通り書いています。

犯罪摘発が名目だが

 近年(略)住宅街の一戸建てやマンションの一室に大麻栽培用の設備を持込み、不正に大麻栽培を行なっている事件の摘発が相次いでいます。

こんな場所に要注意

○大麻草特有の臭い
 大麻草は、特有の強い臭気を持っています。(略)
○目張り
 大麻栽培工場では、室内に大量の電灯を設置して光量を調節しながら大麻草を育成させています。この光量調節のために外の光を遮断して暗闇を作る必要があるので、いつも雨戸や遮光カーテンなどを閉めて窓に目張りがされています。(略)
○電気・水道の使用
 大麻栽培では、大量の電灯を使用して大麻草の育成を早めたり、エアコンで室温を調節するために大量の電気を使用します。そのため人が生活している様子がないのに
 【電気メーターが早く回っている】
 【常にエアコンの室外機が回っている】
 などの特徴があります。(略)
 もし、大麻栽培の可能性があると感じた家や部屋がありましたら、迷わず警察まで情報をお寄せください。

 権力は本能的に、市民を監視したがるものです。犯罪摘発や防犯という一見正当な理由を掲げますが、権力による監視の欲求に際限はありません。特に、デジタル社会は、大量のデータを簡単に取得、分析できるので、監視をする側にもとても便利です。日本のスマートメーターのデータについても、今後どのように利用されようとしているのか、警戒したいと思います。【網代太郎】

[1]https://www.eff.org/deeplinks/2025/07/when-your-power-meter-becomes-tool-mass-surveillance
[2]https://www.police.pref.chiba.jp/yakujuka/safe-life_drugcrime-factory.html

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