南高生のケータイ・PHS事情

山形南高新聞・第157号(2000.10.19)

 最近、携帯電話やPHSは高校生の必需品と審える物の一つとなりつつある。価格の低下や軽量化など、高校生でも簡単に持つことができるようになったことが今、急速に広がっている理由の一つである。そして、それを使用している姿は至る所で見受けられる。電車の中でも見受けられる。公共の場での使用はできる限り控えるべきだ。電車の中に限らず公共の場での使用は迷惑であっても決して喜ばれることではないのだ。また、電車内で音が鳴ることも少なくない。乗る前に音を消してから乗るのが最低限のマナーではないのか。最近、といっても昔も決してマナーは守られていたとは言い切れないが、特に最近のマナーの低下が至る所で目立ってきている。そんな時代に南高生の実状は一体どうなっているのか。南高生は何を思い、考えているか。そこで我々は今回、携帯電話とPHSについてのアンケートを実施した。

アンケート結果

Q、携帯電話・PHSは持っているか?
 はい47%、いいえ53%と、南高生の半分は持っていると回答した。これは決して低い数字ではないだろう。

Q、必要だと思うか?
 はい67%、いいえ33%と約七割の人が「必要である」と回答した。その理由については、どこでも電話ができる」と「緊急時に役に立つ」との回答が目立った。特に「どこでも電話ができる」はほとんどの人が答えていた。どこでも電話ができることは携帯電話・PHSの最大の長所であり、短所であるとも言える。どこでも使用することはできるが、周りの状況や時間などを考えると使用できない場面がでてくるだろう。最も代表的な例は病院だ。病院に入る時は携帯電話・PHSの電源を切ることが常識だ。携帯電話・PHSの発する電波は病院内の機器に異常をもたらす。これは人命に関わる重要な事である。また、病院内に限らず電車内でも時々見かけるが、お年寄の人はペースメーカーを使用している人がいる。携帯電話・PHSの電波でぺースメーカーを狂わせてしまう可能性がある。これもとても危険なことである。しかし、それでも使用を止めないのが現状である。事故が起きてからでは遅いのだ。
 他にも、携帯電話・PHSにうっかり落としてしまった時である。捨ってくれた人が良心のある人なら警察などに届けてくれるだろうが、もしそうでない人が拾ってしまったら、後で届けられる請求書は恐ろしいものになるだろう。もし落としてしまった場合は自分の番号を止めてもらうことができるのだが、そうなった場合の連絡先を知らない人がほとんどだろう。自分は絶対落とさないと思っている人もいるだろうが、いつどういう理由でそうなるかは分からないので、非常時の連絡先は覚えておいて損はないだろう。

Q、月の料金はいくらか?
 五千円以下53%、一万円以下か35%、二万円以下が9%、二万円以上が3%と、五千円以下が約五割と集中した。しかしながら、二万円以上は3%、一万円以上は9%と、一万円を超す人が一割弱もいる。低額の人と高額の人の差が大きい。なぜこんなに差がででしまうのだろうか。おそらく、低額で済んでいる人は主に家族との連絡に使用し、友人との会話も必要最低限に抑さえているのではないだろうか。そうであるとすれば低額で済んでいるのも納得することができる。高額の人はついつい長電話をしてしまっているのだろう。電話というのは恐ろしいもので、ついつい時間を忘れて長電話してしまう。気付いたら四十分も話していた。なんていうことはよくある。それに、携帯電話とPHSで基本料金が二千円近く違う。前までは基本料金の安いPHSが高校生の間では主流だったが、最近は携帯電話を持っている高校生をよく見かける。二万円以上の人もいるのはこのことが原因なのではないか。携帯電話・PHSは便利だが、便利すぎる為にそれら自身の欠点を忘れさせてしまう。友人と電話するのは楽しいが、先の事を考え、話しを短くしていくべきだろう。

Q、最近のマナーの低下について、どう思うか?
 多くの回答が得られた。「周りの迷惑を考えない人は持つべきではない」「授業がストップしたり、場の雰囲気が乱れて困る」などこの問題に対して真剣に考えている人が多かった。電車やバスの中などでは最低限として音は消して乗る。病院内では電源を切る。これらは携帯電話・PHSを持つ上での、いや人間としての最低限のマナーなのではないだろうか。その最低限のマナーさえ守れない人は持つべきではないだろう。周囲の人に迷惑をかけてまでわざわざ持つ必妻はない。便利さと迷惑は紙一重なのだ。


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