海外情報

(抄訳 TOKAI)
マイクロウェ-ブ・ニュ-ス2001年5〜6月号より

EMFのピ−ク曝露が強い流産リスクを生む

米国リ−博士グル−プの新問題提起、流産リスク6倍

◎平均磁場でなくピ−ク磁場を問題視
 カリフォリニア州オ−クランドのカイザ−・パ−マネント研究部門で研究チ−ムを率いるディ−・クン・リ−(De-Kun Li)博士らが手がけた新しい革新的な疫学調査が出た。
 それによると、16mG(ミリガウス)以上の磁場を浴びた女性の流産のリスクは6倍に高まる。
 今までは曝露主要指標は平均磁場であったが、リ−博士は最大磁場(MMF=maximum magnetic field)に最大焦点を置いたところが革新的である。
 平均磁場は時間に重きを置く見方だが、時間平均(TWA=time-weighted average)磁場3mG以上で被曝した女性では差異はでなかった。
 リ−博士は「平均磁場では適切な曝露と適切でない曝露が混合し影響は薄められてしまう。磁場曝露には生物学的に問題とされない曝露レベルとしての閾値(しきいち=その値以下では変化が起きない境目)があるというのは説得性がある」と語った。

◎16mGはまれな曝露量ではない
 リ−の今回の研究論文は「カリフォルニアEMF計画」の未発表最終報告の付随録として載るのだがその事前コピ−をMWNが入手したものである。リ−は「今回の研究でEMF(電磁場)はおそらく(70%)生物影響をもつという考えにわたしは立った。」とし「16mGはまれな曝露量ではない。私が今回対象としたうちの約75%は少なくとも24時間内で16mGの3倍以上の被曝を1回は受けていた。それもピ−ク磁場は地方の分配電力線から受けたというより家庭の電気器具や交通機関から出る電磁波で受けていた」と語った。
 今回のリ−のカイザ−・パ−マネント研究は『疫学』(Epidemiology)11月号に掲載される予定だ。


会報第11号インデックスページに戻る