海外情報

(抄訳 TOKAI)
マイクロウェ-ブ・ニュ-ス2002年3〜4月号より

電磁波で予防基準はなぜ必要か

豪州のデイケアセンタ−での高い磁場曝露を踏まえて

□1000ミリガウスを金科玉条にできるか
 オ−ストラリアのメルボルン市のデイケアセンタ−で、子供たちが300mG近い磁場で寝ていたが(15ペ−ジ参照)、電磁波の予防基準に反対する人たちは自分の子供がそんな状態でいることを望むだろうか?
 フィッシャ−病院長は母親たちによって(そんな高い磁場環境に子供たちを放置したという)非難を受けた時、オ−ストラリア国内基準やICNIRP(国際非電離放射線防護委員会)基準やWHO基準が1000ミリガウスであるのを知り、母親たちは“感情的”に心配していると決めつけ、健康リスクを過小評価した。
 数値基準というものは管理側に有利に働く。数値基準は知識のない人に安全だとイ−ジ−に思わせる。

□一つの数値で要約されないものがある
 科学的かつ医学的文献から出てくるものを一つの数値で要約すれば、必ず不確実さは無視される。例えば、1000ミリガウス以下ならがんリスクは減らせるとする一方で、IARC(国際がん研究機関)は3〜4ミリガウスで「発がんの可能性あり」とした。その数値は1000ミリガウスの数百倍も低い。こうした全体の状況は一つの数値では伝えられない。
 予防基準は法的基準でないが、知識のない人にも注意を喚起できる。ロ−ガン市(この会報の16ページ参照)が変電所の出力アップで4ミリガウスを“予防基準”として指標とすることで住民と電力会社は同意した。これはひとつの解決の道だ。


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