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マイクロウェーブ・ニュース
2003年5〜6月号より
(抄訳 TOKAI)

低周波電磁波被曝は前立腺ガンの増加をまねく

 極低周波電磁波(EMF)を多く浴びる電力会社に勤務する男性労働者に前立腺がんが多くみられる、という新しい疫学分析が発表された。
 この新しい研究は『アメリカン疫学ジャ−ナル』の4月15日号にルエンダ・チャ−ルズ(Luenda Charles)らが発表したものだ。研究に使われたデ−タは米国の5つの電力会社に勤務した13万8905人のもので、元々はチャペルヒルにあるノ−スカロライナ大学のデイビッド・サビッツ(David Savitz)とダナ・ル−ミス(Dana Loomis)のデ−タだ。
 最も高い被曝者群は全体の10%で、前立腺がんで死ぬリスクは対照群の2倍で、統計的に有意だった。
 EMFとPCBを両方曝露した場合は前立腺がんリスクが出ていない。チャ−ルズは、EMFはメラトニンを抑制するとしている。細胞はテストステロン(強力な男性ホルモン)によって成長が調整されている。と同時に、前立腺がんリスクを増大するテストステロンをEMFは高める役割もする。
 1987年にリチャ−ド・スチ−ブンスがEMFと乳がんの関係を明らかにする論文を発表したが、チャ−ルズは彼の論文を大いに意識している。


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