<海外情報>

(翻訳:TOKAI)

フランス議会が「予防原則」を採択

6月議会で憲法の規定に挿入

□フランスの人権宣言に並ぶ規定
 2004年6月の第1週に、フランスの国会で「予防原則」を国の憲法の中に入れる投票が実施され可決された。この予防原則規定は憲法の環境憲章の部分に入ったが、フランス大統領ジャック・シラクは「この規定は1789年に制定した人権・市民権宣言と並ぶ憲法上の地位を得るものと期待する」と語った。
 予防原則は1970年代以降「環境法」に位置付けられてきた。そして、いくつかの国際条約や国内法で位置付けられてきているし、提案中のEU憲法にも載っている。

□科学誌・ネ−チャ−はこれに批判的
 2004年6月10日付のネ−チャ−はこのフランスの動きに批判的な論説を掲載した。予防原則が不確実な科学的根拠でも予防策をとれ、としていることに“科学誌”としてがまんがならないのであろう。

<電磁波問題市民研究会のコメント>
科学者はどこまでも「科学性」を重要視するが、政策的には科学的証拠が不確かでも「予防対策」を事前にとるべきである。フランスの政策を評価する。


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