<海外情報>

(抄訳:TOKAI)

中国で11万ボルト変電所建設に住民反対

China View
2005年2月1日

□電力会社はコンセント程度と言うが
 上海都市電力供給会社は、Hongkou地区Guanglingsi通りに11万ボルトの新変電所建設を計画している。建設予定地の20メ−トル先は住宅地である。周辺住民は「変電所の電磁波による健康問題が心配だ。住宅地の近くに建設するのは反対だ。“巨大な電子レンジ”の近くに住むようだ」と反対している。
 会社は2004年11月にこの変電所の建設を着工しているが、2005年5月には完成させ猛暑の夏までに電気を供給したいとしている。「上海では夏に電力不足になっているのでその解消のため変電所が必要だ。変電所の電磁波は家庭の電気コンセントより少ない」と会社側は言う。だが、変電所建設に反対している団地に住む、元教師の陶さんは「私は変電所に関する資料を読んでいるが、それによると電磁波は健康に悪影響を与えるとなっている。電力会社は少なくても建設前に事前に住民に計画内容を説明し私たちの意見を聞くべきだ。もしここに変電所ができるのなら、私は団地住宅を買わなかった。」と語っている。

□中国で電磁波問題は最近増えている
 陶さんの懸念はひとつの典型で、この会社によれば、いま中国では経済発展による電力需要急増で電力設備や送電線建設が急増しはじめた2003年頃から、同じような住民の反対運動が、かなり日常化しているという。
 電力会社の広報担当は「変電所建設に適した場所を見つけるのがとても困難になってきている。みんな変電所は必要だとわかっているが、自分の家の近くには建てて欲しくないと思っている」と述べている。この担当者よれば、建設を破壊活動で阻止しようという動きもいくつか出ているという。上海放射線管理局は「変電所の変圧器はコンクリ−トで囲まれ、電磁波対策はとられているから心配ない」と言う。しかし住民たちは電磁波の健康影響とともに住宅資産価値が下がることも心配している。


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