<海外情報>

(抄訳:TOKAI)

大都市では電磁波の危険にさらされている

ロシア・オスタンキノTVタワ−で警告

プラウダ
2005年7月7日

□技術革新の代償として健康が壊される
 人々は技術革新と文明の利器を享受する代償として、健康破壊という“犠牲”を払わねばならない。とりわけ大都市の住民は疲労や果てしない病気にしばしば悩まされ続けていることに気づくであろう。その原因の一つとして「電磁波」がある。だが電磁波は見えないし、音はしないし、どこにあるのか見つけにくい。
 人間に対し電磁波が初めて負の影響をもたらすことがわかった事件は1940年代と1950年代に確認された。一連の事件はレ−ダ−基地で働く人に起こった。その後、電気の発達とともに電線があちこちに張り巡らされるにしたがって、人々は電磁波に曝されるようになった。

□モスクワにあるオスタンキノ・タワ−
 ドイツ・スウェ−デン・日本・イタリアなどでは非電離放射線の影響を常時監視している科学者が何人もいる。だが残念なことに、ロシアではこうした監視がシステマチックには行なわれていない。一つの例として、モスクワにある巨大テレビ塔・オスタンキノ・タワ−(Ostankino Tower)が、周辺の人々にどのような影響を与えているかについていままで知らされていない。
 ある人は「オスタンキノ・タワ−の周辺に住んでいる人は、心ならずもユニ−クな科学人体実験に参加している」と言うかもしれない。タワ−からかなり複雑に交ざった電磁波が、30年間にわたって周辺住民に当てられる“テスト”が行なわれてきた。

□当然周辺住民は多くの電磁波を浴びる
 ロシアの科学者グル−プが、テレビ塔周辺の電磁波レベルはモスクワのテレビ塔のない所のふつうの地域の電磁波レベルと比較したところ、テレビ塔周辺のほうが電磁波量はとても多い、という研究をしたことがある。
 この研究に参加した、博士号資格候補者のオレッグ・グリゴリエフは「電磁波を多く浴びたことで、なんらかの健康問題が起こるのは明らかではないだろうか。対策として電磁波を通さない遮蔽物を周辺の住居に施すとか、なるべく植物や木を植えて遮蔽させるとか、は可能であろう。しかしいずれにしても対策にはかなりの金がかかるであろう」と語った。

□モスクワの若い女性は病気がち
 オスタンキノ・タワ−のような巨大なテクノロジ−建造物は、電磁波を撒き散らすために、健康にとっても有害である。モスクワの若い女性は以前から、いろいろな病気に罹っている。医学的治療だけでは治らない。
 たとえば、ある若い女性は病気がなかなか治らなかった。そこでいつも彼女が寝ているベッドを調べたら、ベッドと壁を隔てた所に電気配電設備が設置されていた。その電気配電設備は彼女の部屋を含む12階建てのアパ−ト全体に配電している設備であった。つまり彼女は“電磁波ベッド”で寝ているような状態であったのだ。さっそく彼女のベッドをそんな危険な状態の位置から離したところ、彼女の病気は完全に治った。

□正しい電磁波知識が不可欠
 現代社会において、非電離放射線に関する電磁気学と衛生学的規範の関係をきちんと社会が認識する必要がある。そうした知識を社会が持たねば電磁波の危険性に対処できないのではないだろうか。
 デベロッパ−・建築デザイナ−・不動産オ−ナ−は人々の安全な環境を確保するために、厳しい基準に従う必要がある。


<電磁波問題市民研究会のコメント>
「日本が常時電磁波を監視している」というのは正しい認識とは思えない。しかしプラウダのこの記事はおもしろい。プラウダは昔、ソ連共産党機関紙で絶大なる力を持っていたが、いまはどうなのだろうか。社会が電磁波の知識と公衆衛生との兼ね合いを認識しないと対処できない、は適切な見方だ。


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