<海外情報>

マイクロウェーブニュース
2006年1月号
(翻訳:TOKAI)

ドイツの研究で携帯電話長期間使用の脳腫瘍リスクを指摘

□リスク2.2倍
 2006年1月26日、ドイツ研究チ−ムは携帯電話使用に関する疫学研究結果を発表した。内容は、少なくても10年、携帯電話を使用すると脳腫瘍の一種である神経膠腫(グリオ−ム)の発症リスクは2.2倍になる、というものだ。この研究はWHOが世界13ヵ国に依頼している「インタ−フォン計画」の一環である。この研究はケ−スが12でコントロ−ルが11、と対象数が少ないことと統計学的には有意ではなかった。しかし今回の結果(10年使用で脳腫瘍リスクは高まる)はスウェ−デンが発表した「聴神経腫瘍リスクが高まる」に次いで2番目のものであり、携帯電話の長期使用と脳腫瘍の関係を示唆するものとして注目される研究結果である。

□10年潜伏期間論議の始まりかも
 ドイツチ−ムのチ−フであるヨアシン・シュ−ツ(Joachin Schuz)は現在、コペンハ−ゲンにあるデンマ−クがん協会「がん疫学研究所」の統計学・疫学部門責任者だがその前はドイツのマインツ市にあるヨハネス・グ−テンベルグ大学にいた。シュ−ツはこう語っている。「今回の研究は説明が難しい。一つ言えることは、携帯電話を10年以上使うと脳腫瘍リスクが高まるかどうかということについて議論するきっかけになった、ということだ」。このドイツの新研究は『アメリカン疫学ジャ−ナル』の2006年3月15日号に掲載される。

□ミルド博士の見解
 携帯電話の長期間使用で脳腫瘍リスクが高まることを初めて発表したのがスウェ−デンのエレブロ大学のレナ−ト・ハ−デルと国立労働研究所のクジェル・ハンソン・ミルドだが、ミルドは「ドイツの新研究は偶然と見ることは難しい。私はプ−ル分析等いろいろ重ねた結果でもリスクは高まるからだ」。


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