<海外情報>

Strategy Page
2007年2月6日
(抄訳:TOKAI)

米軍のマイクロ波兵器配備は問題が多い

本当に非致死兵器なのか疑問

□実践配備をまたまた延期する
 米国国防省はマイクロ波兵器ADS(Active Defense System)の実践配備を再度中止した。本来は2年前に配備される予定だったが、マイクロ波兵器の効果テストは続き、実践配備は2010年あるいはもっと遅くなるか、もしかすると永久に無理ではないか。
 何が問題かというと、マイクロ波兵器を開発した米軍の説明では、非致死兵器(non-lethal weapon)だというが、本当に非致死なのか、あるいは、致死の可能性が少ないだけなのかが明確でないことだ。ADS(マイクロ波兵器)を使用して人が死ぬかどうかわからないというマイナスの報道を、国防省は恐れているのである。

□レーダー反射機の形をしている兵器
 ADSは、レーダーのようなお皿の形をした非致死兵器である。直径が4フィート(約1.2メートル)のレーダー反射機から、人間をヤケドさせる光線(burn ray)出す兵器だ。ADSは、霧でも煙が立ちこめていても雨でも関係なく使える兵器だ。
 この兵器のマイクロ波を人間に向けて発射すると、当てられた相手は、皮膚にヤケドを負ったような刺激を受け、たまらず逃げたくなったり、錯乱状態(greatly distract)になる。ADSの射程距離は約500メートルである。移動は機関砲や他の兵器を運ぶ車両に載せて運ぶ。
 大勢の女性や子供などに紛れて接近してくるテロリストの撃退に、ADSは有効な武器である。人間を盾にして襲撃する、こうしたテロリストの手口は、ソマリアやイラクで実際に行なわれている。

□小型マイクロ波兵器も開発された
 一方、Silent Guardian(沈黙の守護者)とネーミングされた、射程距離250メートルの小型マイクロ波兵器もすでに開発され、原発など重要な施設をテロリストから守ために提供されている。兵器製造メーカーは、この Silent Guardian を船舶防衛用として海軍に、大使館防衛用として国務省に、売り込んでいる。その他、国境パトロールや群衆を素早く蹴散らす方法を求めている人にも売り込んでいる。

□すでに2500回も試している
 ADSの実践配備が何年も延期しているのは、非致死といっても、どの位非致死なのか心配だからだ。ADSはすでにテストで2500回発射している。その多くは、志願者に向けて発射している。そして影響は想定内であり、いつまでもダメージは残らない。しかし、死の光線という、恐ろしい科学フィクションのイメージが人々の頭に長く残っているため、実際にADSが使われた場合に、多くの人に「ADS=死の光線」と恐れられる懸念が、どうしても軍関係者には拭えないのだ。
 様々なことが知られることで、本当は安全な兵器なのに、誤解から「死の光線」のように表現され敬遠されるより、もっとより危険な非致死兵器が使われる方がましなのかもしれない。


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