国連保健機関(WHO)勧告を見越して経済産業省が磁場規制の動き

検討ワーキンググループに電磁波関係の市民団体を入れないとは

□2007年4月25日にプレスリリース
 経済産業省は日本で初めて磁場(磁界)規制基準を導入する方針を固め、「電力設備電磁界対策ワーキンググループ」を6月に発足させ今年秋頃までに報告書をまとめる意向であることを、4月25日にプレースリリース(報道発表)しました。

□朝日新聞が第1面で報道した
 この動きと背景を、朝日新聞が、2007年4月26日朝刊全国版第1面11段抜きで、大きく報道しました。

□WHOの環境健康基準をにらんだ策
 今回の「磁場規制基準導入」は、プレスリリースにもあるとおり、近々にWHO(世界保健機関)国際EMFプロジェクトが極低周波の環境健康基準を発表する動きをにらんでの対策です。私たちが経済産業省に磁場規制するよう申し入れても「その考えはない」と拒否しておきながら、WHOが動くとすぐに動くということは、今回も外圧に弱い日本の省庁の体質を見事に示しています。

□ステークホルダー論を理解しない経済産業省
 WHOは、電磁波の健康影響がシロでもクロでもない灰色な段階では、様々な利害関係者が参加して議論し計画を策定していくことが必要という「ステークホルダー論」(利害関係者参加論)を、ドラフト(草案)で提起しています。政府や事業者に耳が痛いことを発言する人でも、参加させろということです。ところが、ワーキンググループ(作業部会)は「学識経験者、電気事業者、消費者関係団体等」で構成するといっておきながら、電磁波問題を取り扱う市民団体には一切声をかけず、一方的にメンバーを決めました。つまり、経済産業省にとって耳が痛いことをいうメンバーは入れないということです。これでは、「電力事業者に都合の悪い基準はつくらせない」と言っているのと同じです。


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