OAタップ等の危険性

 昨今、企業だけではなく個人でパソコンを持つ人が増えてきました。そこで、OAタップという、差込口が2口ではなく3口を持ったモノが使われるようになりました。なぜそれが問題かというと、日本では、2口が基本だからです。3口目は大地(地面)に余計な電流を流すところなので、普通は電流が流れません。ところが、基本は2口しか無いので、無理矢理に3口を2口に変換して使っているのが大多数ですが、そうしますと、電磁誘導により、通常でも3口目に電流が流れることがあるからです。言い換えますと、3口あるOAタップを2口で使うと、電磁誘導によって、通常なら電気が無いはずの3口目に、40〜50Vの電気があらわれるのです。このことは、簡単なテスターでも計ることが出来ます。

 3口目から流れる総ワット数ではごくわずかなのですが、携帯電話に異常を生じるには十分な強さなので、これらから考えると、ペースメーカーなどに何かしらの異常をおこしてもおかしくないのではないかと思われます。特に一番の問題は、ホコリです。電力会社等のCMでもおなじみのホコリがたまり、火災が起こるということです。3口のものを無理に2口で使っていた場合、ブレーカー等の何の異常もなくても、火災が起こらないとは限りません。原理的には、2口でも同じですが、3口の場合は火災が起こりやすいのです。電流を多く流すと、通常の2口ならブレーカーが落ちます。しかし、3口では使いかたによっては、ブレーカーを通さずに電気は流れ続けますので、もっと危険です。特に、3口のものをどんどん付け足していった場合は、電磁誘導が大きくなり、3口目に流れる総ワット数も大きくなります。そういった欠陥があるものが、何らの注意を払うことなく売られているのに、私はちょっと疑問をいだきます。

 このように重大な事実を、企業や個人がどれだけ正確に知っているか疑問です。確かに、電気はものすごく有益ですが、ちょっとしたことで、大きな問題を起こします。このようなOAタップが人体にどれくらいの影響があるか、そしてどれぐらいの火災の原因にもなるかというのを、個人で調べるには限界があり、上記のように簡単な情報しか提供できませんが、電気のことを考える一面と思います。

(寄稿者:埼玉県在住。アマチュア無線技術者)

<寄稿者よりの補足>
2口と言うのは、1つの電化製品について一本のコードが有りますが、そこのコンセントの差込口が2口と言うことです。パソコン系の電源からは3本差込になっていることが多く、それを3口と表しています。しかしそれでは、2口のコンセントに差し込めないので、強制的に3口から2口に変換する器具を取り付けます。

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