群馬県の桐生保健福祉事務所(保健所)のウェブサイトに「化学物質や電磁波に過敏な方へ」と題するページが掲載されたことを会報前号で紹介しました。ところが4月11日、「化学物質に過敏な方へ」にタイトルが変更されました。そして、当会へのリンクなども削除されました。
私(網代)が同事務所に電話して、変更された理由などをうかがいました。危機管理専門官のKさんという方が対応してくださいました。
主なやり取りは、以下の通り。
私 私は電磁波問題市民研究会というNGOの網代という。自分の母が重度の化学物質過敏症だったことから、この問題に関わっている。電磁波について保健所が掲載してくれて、うれしいと思っていた。ホームページから電磁波が消えたのは?
Kさん(以下K) 一つは、4月で電磁波を担当していた職員が退職になったので消さしてもらった。
私 「一つは」というと、他にもあるのか?
K 群馬県にいくつか保健所がある中で、桐生保健所だけ載せるのはどうかという意見が、県内の他の保健所からあった。
私 「電磁波の担当者が退職したから消した」というのは、要するに、電磁波の相談に対応できる職員がいなくなったから、ということか?
K というよりも、一保健所として載せるのはどうかという意見があった。
私 県内の保健所は意見を統一しなければならないのか?
K いろいろな考え方があり、(電磁波過敏症は)科学的根拠がないのでは、という意見があった
私 県内にはいくつ保健所があるか?
K 県の保育所が10、中核市が2、計12。
私 ホームページについての意見があったのは、複数の保健所からか。
K 複数の保健所から意見があった。
私 保健所以外から、たとえば、一般市民、国関係、民間団体などからは意見はあったか?
K ない。あなたは群馬県の方ではない?
私 私は群馬県民ではないが、電磁波研は全国組織で、群馬県にも会員はいるし、群馬県にも電磁波過敏症の方がいる。私たちは、科学的根拠がないとは考えていない。科学的根拠がないという人が保健所にいるということなので、ぜひ、内輪の学習会を検討してほしい。群馬県まで参りますので。
K 群馬県のホームページを見ていただいたこと、貴重なご意見をいただいたことは、ありがとうございます。所内で共有させてもらいます。
「電磁波」を削除した理由について、ご担当者は、電磁波を担当していた職員(会報前号にご寄稿いただいた服部知己さんのことと思われます)の退職と、県内の他の保健所からの意見、の二つの理由を挙げましたが、後者が主な理由であることがうかがわれました。
なお、桐生福祉保健事務所の上記とは別のウェブページ「化学物質過敏症について」(https://www.pref.gunma.jp/page/212564.html)には、現在も「※電磁波にも過敏になり、家電製品の使用が困難になることもあります。」との記載があります。【網代】