第5世代移動通信システム(5G)基地局周辺の電波強度を測定したところ、4Gのレベルと同程度またはそれ以下だったと、国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT)が7月5日に発表しました(会報前号参照)。この発表で疑問だった点についてNICTヘ質問書を送付したところ、9月10日付で回答がありました。
質問(1)グラフだけでは分かりにくいので、以下の数値をそれぞれ教えてください。
(NICTから回答があった数値を、NICTが発表していたグラフに書き込みました=下の二つのグラフ)
質問(2)4Gと5Gの電波曝露レベルを比較するのであれば、貴機構が過去の4Gについての調査結果を「市街」「郊外」「地下街」を分けて集計しているのと同様に、5Gについても「市街」「郊外」「地下街」と分けて集計するのが適切と思われます。一般的に、通信量が多いほど電波曝露レベルも大きくなるからです。今回、5Gの測定結果について、これらを分けて集計しなかった理由をお示しください。
また、分けないで集計した5Gの数値と、分けて集計した4Gの数値を比較することは、適切だとお考えですか? 理由も含めてお答えください。
回答(2)5Gは市街のみで測定を行い、郊外と地下街の測定はサービスエリアの関係で十分な測定が困難なため行っておりません。測定場所は市街のみでしたので、分けずに集計を行いました。
質問(3)5Gの測定結果は「測定結果は1分間で平均した値」であると説明されています。4Gの測定結果も、同様に「測定結果は1分間で平均した値」という理解でよろしいでしょうか?
回答(3)お問い合わせの理解の通りです。
質問(4)電波の健康影響については、1分間などの平均値でなく、最大値に注目すべきであると、多くの研究者が指摘しています。今回の5G、および、過去の4Gについて、最大値は計測していますか? 計測している場合は、最大値についての測定結果をお教えください。最大値を計測していない場合は、その理由をお教えください。
回答(4)今回の5Gの測定では1分間における最大値を含む時間変動データを記録しました。論文化を想定して測定データを解析・研究中であり公開することはできません。過去の4Gの測定につきましては最大値を記録しておりません。理由は、効率的に大規模測定を行うために。時間変動データを記録しなかったことによります。
今後とも弊機構へのご支援を賜りますよう、お願い申し上げます。