電磁波&関連ニュース

太陽光発電システムからの電磁波による通信障害が増加

 総務省総合通信基盤局電波部電波環境課によると、2021年以降、太陽光発電システムが発する不要電波によって通信が妨害される障害が、疑わしい事例も含めると44件発生している。影響を受けやすい周波数帯は、数十~百数十MHz帯。中でも深刻なのは防災無線で、完全に遮断されてしまったという報告もある。他にも消防無線に雑音が入って聞こえづらくなったり、テレメーター(遠隔測定)の通信が妨害されて数カ月間データが届かなくなったりする障害が確認されている。携帯電話通信や無線LAN、テレビ放送などに影響が及んだ例はないという。
 不要電波の原因とされるのは太陽光パネルで発電した直流電流を交流電流へ変換する「パワーコンディショナー(パワコン)」だ。総務省は2024年5月14日、日本電機工業会と太陽光発電協会に、無線通信への障害防止対策についての周知徹底と対策への協力を呼びかける依頼文を送った。総務省は設置者による対策の1つとして、国際規格「CISPR(シスプル)11第6.2版」に適合したとの認証を受けた装置を使うよう勧めている。この基準に適合していれば不要電波の強度が一定値以下となるため、障害を発生させる可能性を抑えられる。CISPRは国際規格であり、日本国内で強制力を持たない。その他の対策としては、電力線の遮蔽など施工方法に留意すれば、影響を低減できる。既設のパネルについてはノイズフィルターなどの装置を設置することによる対策も可能だ。2020年10月に太陽光発電のパワコンが原因で放送用無線回線にノイズが入る事案が発生したときは、パワコンの直流線に高周波のフェライトコアを挿入したところ、放射ノイズが低減されたという。
 不要電波を発するパワコンなどの使用や販売を国が禁止するためには、電波法や電気用品安全法などの改正が必要だ。総務省はCISPR規格を法令に反映するための準備として現在、情報通信審議会にCISPR勧告の国内規格化などについての審議を求めている。審議会からの答申を受けた後に、総務省が法改正を検討するという流れだ。(9/4 日経クロステックス

太陽光発電設備導入で自治体の4割超でトラブル

 総務省行政評価局が、太陽光発電の設置件数が多い上位24都道府県の全市町村(943市町村)を対象に調査したところ、回答が得られた861市町村のうち41.2%の355市町村が、太陽光発電設備等の導入に関する「トラブルがあった」と回答。また、16.6%が「未解決のトラブルがある」とし、「解決しているか不明」と答えた自治体も11.8%に上った。トラブルの内容は、開発工事中の敷地や調整池から泥水や土砂が流出して道路や河川等に流入、施工内容が許可条件と相違、地域住民への説明不足、設備からの反射や騒音などがあった。また、同一発電事業者が異なる地域でトラブルになっているケースや、市町村が助言等を行ってもトラブルの改善が図られないケースがあった。総務省は経済産業省に対し、トラブルの未然防止に向け現地調査を強化すること、法令違反等の状態が改善していに発電事業者への文書指導を着実に実施し、改善されない場合は交付金の留保などの必要な措置を適確に実施することなどを求めた。(3/26 総務省

東邦ガスネットワークがスマートメーター設置

 東邦ガスネットワーク(名古屋市)は6月から家庭用の都市ガスにスマートメーター=写真(同社のウェブサイトより)を設置を開始し、10月から通信を開始する。通信の安定を確認できたスマートメーターから順次、遠隔検針などを実施。2030年代半ばまでに、ガスメーターの有効期間満了に伴う取り替えなどの機会を通じて、対象となるすべての顧客にスマートメーターを導入する予定。通信はバケツリレー方式。(5/31 東邦ガスネットワーク

知床岬の携帯基地局着工は早くて2年後

 知床世界自然遺産(北海道)の知床岬で計画されている携帯電話基地局は、設置される場合でも2026年度以降の着工となることがわかった。知床岬での基地局は、電源として通信会社4社分の太陽光パネル設備(264枚、約7000㎡)や約2kmに及ぶケーブル埋設工事などが計画された。岬エリアは国立公園の特別保護地区で、自然保護団体や研究者らからの反対表明が相次いだ。岬エリアにはオジロワシの複数の営巣木があり、繁殖やエサ場として利用されている。環境省は今年3月に工事を許可したが、のちに事業者がオジロワシへの影響調査をしていなかったことが判明。環境省の助言機関、知床世界自然遺産地域科学委員会が6月の緊急会議で他の動植物への影響も含めた再調査を求め、工事は中断された。知床岬では事業者が5月上旬から資材や機材を岬西側の避難港「文吉湾」に洋上搬送。港周辺には現地事務所や作業員の宿泊施設、急斜面には運搬用の簡易モノレールも設置されていたが、夏にはすべて撤去された。(8/28 朝日新聞のウェブサイト

Bluetoothヘッドセットの長時間使用で甲状腺結節リスク増加

 マレーシアや中国の研究チームは、Bluetoothヘッドセットの1日当たりの使用時間が長いほど、甲状腺結節を発症するリスクが高くなることが示されたとする論文を発表。中国で広く普及しているオンライン調査プラットフォーム「問巻星(Wenjuanxing)」から有効なアンケート600件を統計分析した。甲状腺結節の潜在的なリスクを低減するために日常生活におけるBluetoothヘッドセットの使用時間に注意を払うべきであることを研究結果は示唆すると著者らは述べている。(6/21 Epidemiological exploration of the impact of bluetooth headset usage on thyroid nodules using Shapley additive explanations method
 甲状腺結節は甲状腺内部の良性または悪性の腫瘍である。甲状腺結節は痛みを伴うこともあれば、無症状のこともある。無症候性の結節は、悪性の場合もあるが、通常は良性である。(MSD Manual

リニア工事で地盤沈下

 岐阜県瑞浪市にあるリニア中央新幹線のトンネル工事現場から近い瑞浪市大湫町では井戸などの水位低下が明らかになっていたが、さらに、JR東海によると、13か所で地盤沈下も確認された。同社は地盤沈下もリニアの工事が原因である可能性があるとして、9月18日から周辺の約60戸の住宅や5か所の公共施設に被害が出ていないか調査を進めている。20日は地区の消防センターでその様子が公開され、委託を受けた専門業者が調べたところ、壁や床に亀裂が確認され、柱も傾いていた。この建物の近くでは17日の時点で最大3.2cmの地盤沈下が確認され、先月よりも0.8cm沈んでいた。(9/20 NHKのウェブサイト

リニア工事完了遅れを相次ぎ公表

 JR東海は、リニア中央新幹線の「第一中京圏トンネル」(名古屋市~岐阜県可児市)の「西尾工区」(4.5km)の完成時期が、当初予定の今年9月末より約5年半遅れ、2030年1月末になる見通しだと発表した。掘削を進めるなかで、地質の一部が想定よりも軟弱であることがわかった。JR東海は2027年のリニア開業をめざしていたが、静岡工区の着工が認められていないことなどを理由に断念。開業は早くても34年以降の見通しとなっている。(9/9 朝日新聞のウェブサイト
 リニア中央新幹線の建設工事に関する住民説明会が17日夜、長野県飯田市で開かれ、JR東海は長野と岐阜にまたがる「中央アルプストンネル」の飯田市内での工事の完了が、当初計画していた2026年9月から5年程度遅れて2031年の夏ごろになる見通しを明らかにした。掘削する山の地質が想定よりもろいことが分かり、補強工事が必要になったことなどが理由。リニア中央新幹線の長野県内の着工済みの工区で、完了が計画よりも遅れる見通しになったのは大鹿村の南アルプストンネルや飯田市の新駅などを含めこれで6か所目。(9/18 NHKのウェブサイト

歩きスマホで歩行が不安定に

 歩きスマホを行うと、画面を注視して足元や周辺の視覚情報が不足するだけでなく、歩行リズムの規則性が乱れ歩行の安定性が損なわれるために、段差などでつまずきやすく、転倒するリスクが高まることを、京都大や大阪大などの研究チームが実験で確かめた。研究成果が科学誌に掲載された。スマホを操作することに脳内の情報処理が割かれて、歩行制御のための情報処理がされにくくなっている可能性があるという。研究チームは、段差などがなく一定の速度でベルトが回転するトレッドミル(ルームランナー)の上を、足に加速度計をつけた44人の健康な男女(平均22.6歳)に、(1)スマホでパズルゲームをする(歩きスマホ)(2)電源をオフにしたスマホの黒い画面を見つめる(3)スマホを持たない――の3通りで30分ほど歩き続けてもらった。その結果、時間とともに変化する歩行リズムの増減パターンは、(2)と(3)では一定の規則性が見られたが、(1)の歩きスマホは規則性が乱れた。これは、高齢者や震えが止まらず歩行が不安定なパーキンソン患者らによく見られる現象。(8/30 朝日新聞のウェブサイト

6割以上が「スマホ依存」自覚

 MMD研究所は通信契約しているスマホを所有する18~69歳の男女1万人を対象に7月13~15日に「2024年スマホ依存に関する定点調査」を実施。スマホがないと「困る」「やや困る」と回答したのは計81.1%。逆に「困らない」「あまり困らない」は計7.4%だった。スマホに「かなり依存している」と自覚していると答えたのは23.4%、「やや依存している」が39.1%で、計62.5%。年代別では60代が「かなり依存」「やや依存」と答えた割合がもっとも低く(女53.9%、男53.1%)、若ければ若いほど高くなった(10代は男80.4%、女75.0%)。依存していると思うジャンルの上位はLINE(47.3%)、ネットサーフィン(40.1%)、SNS(39.0%)、動画視聴(38.9%)、スマホ決済(37.5%)(8/20 MMDLabo

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