過敏症の苦しさ京阪電鉄に伝える 京阪「ご意見踏まえ、引き続き検討」

大野智江さん(仮名、京都府)

 電磁波過敏症の大野さんからメールをいただきました。京阪電車の中で苦しんだ経験を、鉄道会社側へ伝えたところ、前向きな回答をいただいたとのことです。大野さんのご了解を得てご紹介いたします。一部駅名などを変更しました。【会報編集担当】


 私は電磁波過敏症(ES)k駅からT駅までの間でかなり体がだるく、H駅を過ぎたあたりの場所で感電したかのような感覚を受けて悲鳴をあげました。それまでもあまりの痛さにうずくまっていました。そのため帰りH駅の駅務室に行きました。電磁波の影響が少ない車両を教えていただきした。防毒マスクをした電磁波過敏症のお客様がいらっしゃるので、携帯電話の電源をいただきますようにお願いいたしますとアナウンスをしていただけないかと頼みました。教えていただいた車両に乗ろうと思いましたがその車両番号がなかったので乗れませんでした。
 そのためホームの駅務室に行きました。同様のことをお聞きして、安全な車両を教えていただきました。Mさん言う方だったと思いますが、かなり私の話を小馬鹿にした様にしておられました。多分私のことをただのノイローゼ患者だと思っていると思います。
 淀屋橋からひとりひとりのお客様にESだから携帯の電源を落としてくださいと頼むと快く切ってくださった方は10人です。k駅では沢山の方が1度に乗ってこられるので対応が出来ないと思い、大きな声で全員に聞こえるように頭を下げて頼みました。「申し訳ございません。私は電磁波過敏症です、携帯の電源を入れられると体がジンジンして痛みます。申し訳ありませんが電源を切っていただきますようによろしくお願いします」。防毒マスクをつけ、大きな声で頭を深々と下げてお願いしました。
 すると、小馬鹿にした笑っていた女の若い人1人。多分その友人達数人も…。それを見て「堂々と言えや、逃げるんか」と注意をしてくれるおじさんが1人。それでもまだ電源を切らない若い男の人が1人ニヤニヤしながら私を見ていました。「まだ切っておられないんですか? 感電したように痛いんですわかりますか?」「わかってますよ」ニコニコと笑って馬鹿にしながら電源を落としませんでした。酔っ払いのおじさんに至っては「なんやその格好は?」「このマスクをしないと息ができないです」「お前が消えろ」手で追い払われました。隣の人は気難しそうに、電源を切りますが、電子機器のipodを聞いておられます。
 腕がだるい。背中がきつくこる。H駅へ行くまでのあたりでかなりきつく体が痛む。我慢しきれずに席を変わりました。T駅で降りる時も「皆さんご協力していただきどうもありがとうございました」深々と頭を下げてお礼を申し上げました。S駅までの僅かの間でもお一人の方に電源を切って頂き、降りる時にもお礼を申し上げました。なぜこれほどまでにしんどい患者の私が、個人の力で頑張らなくてはいけないのでしょうか。
 ヨーロッパではESは身体障害者として認められています。日本では病名さえ認めてもらっていませんが。私たちは健康被害を受けています。怖くて電車が乗れない患者がたくさんいます。
 化学物質問題研究会のホームページを見て下さい。電磁波問題市民研究会ホームページを見て下さい。私の主治医、ふくずみアレルギー科の医師に聞いて下さい。障害者権利条約について批准したことについて調べてください。電車内はすべて、携帯の電源を切るべきであるということがわかります。
 電磁波カットの車両に変えていかなければいけないことに、気がついてください。

[京阪からの回答]
大野 様
 この度、弊社ホームページに頂戴いたしましたご意見につきまして、関係部署からの回答を得ましたので、お答えいたします。
まず、弊社および弊社社員の電磁波障害による認識が無かったことにつきましてお詫びいたします。
 車内携帯電話の規制につきましては総務省のガイドラインに基づき、各社統一のうえ実施しておりますが、お客さまのご意見も踏まえ、車両の電磁波遮断の問題とともに引き続き検討したいと考えております。
まだまだご不便をおかけいたしますが、係員に電磁波の影響の少ない車両をおたずねいただきご利用いただければ幸いでございます。
 このたびは貴重なご意見ありがとうございました。
 最後に、時節柄、お身体には十分にご自愛ください。
 今後とも京阪電車をよろしくお願いいたします。
 以上よろしくお願い致します。
 京阪電車お客さまセンター

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