東京近郊通勤電車の低周波磁場を実測 一番低いのは運転室の近く

 この会報の「電磁波よろず相談室」でも紹介しているように、電車内の場所による電磁波の強さの違いは、特に電磁波過敏症の方にとっては一大関心事です。6、7月の電磁波研定例会にご参加くださった、元JR職員の方が、ご自分で測定した低周波磁場の強さについて、教えてくださいました。それによると、低周波磁場がもっとも弱いのは、運転室のすぐ後ろであることが分かりました。
 測定したのは、中央(快速)線、中央総武緩行線、東海道線・宇都宮線・高崎線で使用されている車両です。ご自分で運賃を払って乗車し、座面(乗客が座る所)の高さで測定したとのことです。

モハ、サハ、クハの順に高い
 もっとも強いのが「モハ」車両で、20~30mGでした。モーターに強い電力を供給しているインバータがあるためと考えられます。モーターが回っていないとき(停車中や、惰性運転中)の強さは、サハと同等になるとのことです。
 次いで高いのは、「サハ」車両です。モーターはありませんが、10~20mGと、けっこう高いです。先に述べたモハ車両の一部には補助電源装置があり、車内のエアコン、照明、ドアの開閉装置などへ電力を供給しています。補助電源装置からの電力は、ケーブルで各車両へ送られるため、サハでもこのような強さになると考えられるとのことです。
 もっとも弱いのが、運転室がある「クハ」車両で、大部分の場所で6~8mG、運転室の後ろから2番目のドア付近までの間は、2~3mGでした。運転室は先頭車両(中央線と中央総武緩行線の1号車、および10号車)がクハですが、東海道線・宇都宮線・高崎線は、先頭車の1号車、15号車の他、編成の切り離しに対応するため、10号車、11号車もクハになっています。クハの磁場が弱い理由について、測定した方によると、補助電源装置からの給電系統の末端に近いためだと考えられるそうです。車内で消費電力が大きいのはエアコンや照明であり、運転室にはエアコンはなく、運転台の機器類の消費電力は大きくないとのことです。
 測定した元JR職員の方は「東京近郊のJR通勤電車は、ほぼ同じ構造なので、他の路線の車両の低周波磁場もだいたい同じ傾向だと思う」とおっしゃっています。ただし、山手線の新型車両については分からない、とのこと。山手線はいつも混んでいて、なかなか測定するチャンスがない、とおっしゃっていました。
 一方、私鉄は、JRと同じとは限らないそうです。たとえば京急線、京成線は、先頭車にモーターが付いているので、先頭車の磁場は強いと考えられます。
 なお、この方が測定したのは、低周波磁場です。車内には様々な周波数の電磁波があり、高周波などにより反応する方は、感じ方が異なるかもしれません。
 貴重な情報を、ありがとうございました。
 ちなみに質問が多い新幹線について筆者(網代)がネットで調べたところ、 東海道新幹線N700系16両編成は、先頭車の2両以外の14両がモーター付きのようです。【網代太郎】

 

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