東京都町田市の市民の方々による昨年から取り組みが実り、「携帯電話基地局の設置に関する法整備を求める意見書」が6月24日の市議会で全会一致で可決されました。【会報編集担当】
携帯電話基地局の設置に関する法整備を求める意見書
この10数年で携帯電話やスマートフォンは私たちの日常生活に広く浸透しました。しかし、基地局が365日24時間発し続ける電磁波の人体への影響については、報道件数が少なく、市民の不安は解消されていないのが現状です。
近年、欧州各国で行われている疫学調査では、基地局周辺で、めまい、耳鳴り、鼻血、頭痛、不眠、疲労感、イライラ、うつ等の症状を訴える人が多いという結果が明らかにされています。
また、総務省が現行で問題はないとする日本の基準値は、予防原則(疑わしきは予防する)を掲げる国・地域と比べると極めてゆるい基準となっており、リヒテンシュタインの基準値とでは1万倍という隔たりがあります。電磁波は目に見えず、様々な情報が飛び交う中で、市民の不安を募らせていることが想定されます。日本でも本格的な疫学調査が必要ではないでしょうか。
今後も、スマートフォンの普及や、携帯電話会社間の競争の激化で、基地局の増加が予想されます。十分な近隣周知が図られずに工事が着工される現状を鑑みると、近隣住民とのトラブルを回避するためのルール作りが急務です。
具体的には、事前に近隣住民に向けて事業計画の説明(設置場所、大きさ、高さ、アンテナの電波密度の最大出力、電源設備のワット数など)を義務付けるなどの、法整備が必要です。
海外の先進諸国・地域では、基地局の設置状況の情報開示は、「国民の知る権利」の対象として、当然のこととなっています。
市民の不安を解消するためにも、次の世代も健やかに安心して暮らしていける環境を残していくためにも、また人体や環境への負荷を最小限に抑えていくためにも、早急な国内の法整備を求めます。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。