電磁波で、やってはいけないこと、やったほうがいいこと
鮎川哲也(電磁波研事務局)
これまで電磁波に関する相談でお聞きすることで、電磁波に過敏だと言いながら、携帯電話を頻繁に使っているとか、オール電化の家に改装したなど、電磁波の環境を悪化させている、あるいはよくない状況であるケースをいくつも聞き、目にしてきました。
そこで今回は改めて電磁波に関することで「やってはいけないこと(やめたほうがいいこと)」と「やったほうがいいこと」をまとめました。繰り返しになることもありますが、基本的なことなのでご理解いただき、できれば実行してほしいと考えています。
やってはいけないこと(やめたほうがいいこと)
スマホ、携帯電話を耳に近づけて長時間通話をする
相談の電話を受けたときに番号通知で相談者の電話番号が表示されます。その際、090や080などは携帯電話だとわかるので、今はどのような状態でお話をしているかを必ずお聞きします。そうすると、普通に耳に当てて通話しているというケースが非常に多くあります。そこで、スマホはハンズフリー機能がついているのでハンズフリーにする(スマホのスピーカーから相手の声が聞こえるようにして、スマホを頭から離す)よう伝えますが、「それはどうやってするのですか」と聞き返されることも多いのです。「では、いつも耳に当ててお話ししているのですか」と聞くと「そうです」と答えます。「電磁波に過敏なのではないですか」と改めて聞くと「そうなんです。外の基地局からの電磁波を受けているのです」と。
もちろん、ハンズフリーでお話しする人もいますが、自分のスマホや携帯電話は別、と考えている人が多いのが事実です。
外でどうしても他人に聞かれたくない場合を除き、スマホ、携帯電話を使う場合はハンズフリーで通話をしてください。耳に当てて話す場合はできるだけ短い時間で。
自宅のWi-Fi機器の近くで寝る
今やWi-Fiは普通に使われて、自分は使いたくないが家族が使うので仕方なく使っているというケースもあります。そういう人はWi-Fiはどう対応すればよいかわかっているでしょうが、Wi-Fiについて詳しくない場合は、自宅のWi-Fiは問題ないと考えていることもよくあるようです。極端な言い方をすれば自宅にWi-Fiを置くのは、電波の強さは違いますが、自宅に携帯電話基地局を置くようなことです。どうしてもWi-Fiを設置しなければならないなら、夜寝る際はWi-Fi機器のある部屋ではなく、できるだけ離れた場所で寝るようにするとよいでしょう。可能ならば、寝る間だけでもWi-Fiをオフにする(電源を抜く)ようにしたいものです。
ACアダプターの近くで寝る
ACアダプターはご存じの人も多いと思いますが、コンセントと電気機器の間にある四角い機器です。ACアダプターは家庭用コンセントからの交流の電源を、電子機器が使用できる直流の電源に変換する装置です。これらのACアダプターからは低周波電磁波が発生します。すぐ近くにあると、低周波電磁波の影響を受けてしまいます。特にスマホや携帯電話を枕元に置くと、充電している場合はスマホや携帯電話本体からの高周波電磁波とACアダプターからの低周波電磁波の両方の影響を受けてしまいます。目覚ましのためにスマホのアラーム機能を使うために近くにおいている人もいるかもしれません。できれば離して置きましょう。
シールドカーテンで部屋をすべて囲う
外からの電磁波の影響を軽減するためにシールドカーテンを使用する人もいるでしょう。シールドカーテンは確かに影響を弱くする効果があります。ただし、まずは信頼できるところから入手することが重要です。残念ながら効果があると謳っていても、ほとんど有効でないものもありますし、経年劣化のスピードが速く、効果が長続きしないものもあります。
そして使用法も重要です。シールドカーテンは電磁波を通しにくいという性質なので、部屋全体を囲うと外からの電磁波を通しにくくできますが、同様に内側の電磁波も通しにくくしてしまいます。もし、内部に何らかの電磁波発生源があれば、その電磁波は内部にこもってしまいます。
実際にすべてをシールドカーテンで囲んでいる部屋で生活している人がいて、日増しに体調が悪くなっていると話していました。すぐに一方だけでもシールドカーテンを外すようにお話しました。
ともかくシールドカーテンの選択と使い方は慎重に考えてください。
あまりおすすめできないこと
携帯電話基地局のからの電磁波をはじめ電磁波の影響について「危険」という言い方をする
携帯電話基地局は近くに住む人など、その影響は深刻だと言えます。だからと言って、そのことを周囲の人たちに伝えるときに「電磁波は危険」だと強調することはあまりおすすめしません。「危険」ではなく、「人体への影響がある」「健康への影響がある」など「影響がある」というイメージで伝えたほうがよいと考えます。
というのは電磁波の影響は限りなく「黒」に近いグレーで「危険」と最終決定はしていないのです。また、電磁波の知識があまりない人へ「危険」と伝えると多くの場合、「危険なものを国が許すはずがない」と「危険だ」という言葉に違和感を持たれてしまい、そこから先の話を聞いてくれなくなる可能性があるからです。
電磁波の影響で困っていると、その影響の強さを訴えたい気持ちはよくわかります。それより「影響があるかもしれない」と伝え、それはどんな影響なのか、そもそも影響があるのかないのかを、伝えた側に考えてもらう方がよいからです。
携帯電話やスマホを寝る間際まで見る
朝起きて一番はじめにすることがスマホのチェックで、夜、寝る間際までスマホを見ている人も多いのではと思います。寝る直前までスマホを見ていると、睡眠の質を低下させる可能性があると言われています。またスマホのディスプレイから発生するブルーライトによる覚醒や、脳への刺激が不眠につながることがあるともされています。
電磁波の件で考えると、いわゆる寝落ちをしてスマホを体のすぐ近くで置いたまま寝てしまうおそれもあります。
できればスマホは寝る2時間くらい前までに見るのをやめ、心身をリラックスさせるのがよいとされています。もちろんスマホは体から離れたところに置くことは肝要です。
おすすめしたいこと
住んでいる周囲を散歩すること
直接電磁波に関係しないかもしれませんが、今住んでいるところの周囲を歩いてみて、どんな環境であるかを知っておくことです。どこに送電線が通り、鉄塔があり、そして携帯電話基地局がどこにあり、どれだけ離れているかを知ることです。少し離れたところに知らない間に基地局ができていたなどもありえます。そうすると基地局に近い部屋などの対応が可能になります。
また、どこに避難場所があり、どれくらい距離があるか、その間の障害物などはないかを把握できるからです。これは防災散歩と言われ、防災散歩をすることは推奨されています。
昨今は突然豪雨に見舞われたり、長時間大雨が続いたりするなど、天候の急激な変化による影響が心配されています。そのためにも防災散歩は自分たちの安全を守るためにもおすすめします。

