「中央新幹線はリニアでなく従来型で」 中川寒川町議のユニークな意見

 朝日新聞11月16日付の「私の視点」で、神奈川県寒川町議の中川登志郎氏がリニアについてユニークな意見を寄せています。「中央新幹線はリニアでなく、従来型の新幹線を走らせろ」というのです。以下中川氏の意見を紹介します。

1 リニアの乗り換えは極端に不便なので、時間短縮の利点はない
 リニアは品川発で名古屋までの所要時間は約40分です。一方、在来新幹線は時速330キロ出せば、N700系で約60~70分で行きます。だが従来路線はカーブが多いので時速270キロで走行しています。中央新幹線ルートはほぼ直線なので、N700系の定格時速330キロでの走行が可能になります。それでもリニアの方が所要時間は短いが、リニアは大深度地下走行なので、乗り換えに品川と名古屋でそれぞれ10分~20分かかります。ルートは中央新幹線ルートでも、従来新幹線ならば品川と名古屋で既存新幹線と乗り入れできるので、無駄な時間がかからないので、結局はリニアとほとんど所要時間は変わりません。

2 コストは当然、従来型の方が安い
 リニアは建設費が5.1兆円かかり、従来型新幹線ならば4.2兆円で済みます。設備維持・更新費用も従来型のほうが安くて済みます。消費電力もリニアは1列車当たり3.5万キロワットだが、従来型なら半分の1.7万キロワットで済みます。乗車定員はリニアは約1千人だが、従来型は1300人強なので効率は従来型のほうが優れています。総合的にみて、リニアより従来型新幹線のほうが優れています。

大前研一氏がリニア反対論に変わる
 中川意見に触発されて、大前研一氏が日経BPネットで、「リニアはゼロベースで見直せ」と論を張っています。大前氏は以前週刊誌でリニア支持を言っていました。ところが、今回は明確にリニア反対を唱えています。反対に転じた理由は、①JR東海はリニア自前資金調達を言っていたのに、政府の184億円税優遇策を受け入れた。このままではどんどん税金投入になっていく、②リニアが有利なのは700キロ以上離れた距離からで、名古屋までの300キロならリニアに優位性はない、③中央新幹線ルートは山が多くトンネルばかりだし、産業や人口分布からしても価値はない、④リニアでなく、JR中央本線に従来型新幹線を通したほうが精密工業や観光などの有力産業ベルトをつなぐことになる、としています。
 大前氏は、新たに中央ルートを考えるという発想には反対していません。それは、南海トラフ大地震で東海道新幹線がマヒした時のバックアップになるからだ、としています。しかし、コスト的にも時間短縮面でも優位性があると思えないリニアには反対だとし。まずオープンな議論を、と大前氏は主張しています。【大久保貞利】

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