化学物質過敏症を国が事実上“公認“

 6月12日付『毎日新聞』1面トップに「「化学物質過敏症」に健保 10月から病名登録」という見出しの記事が掲載されました。化学物質過敏症(CS)発症者にとって必要な診療のすべてについてただちに保険診療が認められるわけではありませんが、CSという病気が事実上公認されたと言えます。
 具体的には、「ICD10対応電子カルテ用標準病名マスター」(以下「マスター」と略)に10月から「化学物質過敏症」の病名が登録されます(1)。マスターは、医療機関でカルテを電子化する(パソコンで扱えるようにする)ために、病名にコード(番号)を付けてリスト化したものです。
 厚生労働省は「病気を認めるかどうかは学会の役割であり、行政機関は関係ない」と言います。その一方で「標準病名マスターに掲載されていない病気でも保険請求はできるが、掲載されていたほうが請求しやすくなる」とも説明しています。2002年4月29日には「医療機関は診療報酬請求書に原則としてマスターに掲載された病名を用いること」という趣旨の厚労省保険局医療課長通知も出されています(2)
 国・厚労省は自分たちの責任を問われたくないので「行政機関は関係ない」などと言いますが、マスターの趣旨などを踏まえれば、そこに掲載されれば事実上、この病気が公認されたことになると言って良いでしょう。
 これまで、発症者や支援者は「CSという病気が存在することを認めてほしい」と長年にわたり運動してきましたが、その成果が実りました。

健康保険適用はこれから
 しかし、冒頭にも述べましたが、これでCSに必要な診療のすべてがただちに保険診療の対象になるわけではありません。厚労省が言う通り「保険は診療行為に対して適用されるもので、病名に対して適用されるものではない」。つまり、「クリーンルームへの入室に何点」というように、診療報酬点数が付けられる必要があります。
 発症者に必要な主な診療の全てが保険適用になるまでには、今後とも取り組みが必要です。このことに関連して、病名登録後の展望と課題などを探る「やったね!病名登録記念シンポジウム」を、有志による実行委員会が10月31日(土)午後1時半から「ECOとしま」(池袋駅から徒歩7分)で開くとのことです。【網代太郎】

(1)(財)医療情報システム開発センター「次回、V2.81で更新予定の内容
(2)厚労省「レセプト病名(標準病名マスター)とは」

カテゴリー: 過敏症, 行政 

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