奥野かおりさん(仮名、電磁波研会員、関西圏在住)
突然自分のマンションの屋上に携帯アンテナが建つ計画が!…
ある日マンションの総会で突然、屋上に楽天モバイルのアンテナ設置の話があると聞いた時、私はまだ電磁波のことなど全く知りませんでした。
しかし、「自分の住んでいるマンションの屋上にアンテナを建てるなんて、大丈夫だろうか?…」という一抹の不安を感じ、すぐ電磁波の危険性をネットで検索してみました。そして電磁波の危険性を訴えているグループを見つけ、参加することにしました。そしてそこのメンバーの一人の方が「この本をまず読んでみて下さい!」と勧めてくれたのが、『電磁波の何が問題か』(緑風出版)でした。電磁波のことについては、電子レンジとかリモコン、携帯電話から出ているものだという程度のことくらいしか知らなかった私ですが、その本を読むと、電磁波の恐ろしさや、実際に健康被害で苦しんでいる人達が全国にたくさんいること、全国で200件もの近隣トラブルが起きていることなどを知り、自分のマンションの屋上にアンテナが建てば、同じようなことが自分の身にも起こるのだと思い、正直とても不安になり、焦りました。でも、まだその頃は、自分が積極的に反対運動をすることになるとは、思っていませんでした。というのは、私はもともと、あまり人権活動などをやったこともなく、好きではなかったからです。
楽天説明会のために資料作ることに…
ところが、その頃、近々楽天アンテナのマンション住人説明会が有ることを知り、さすがに「このままではまずい!」と思い、ようやく反対するための資料を作る決意をしました。もう用意するにもそれほど時間がないので、『電磁波の何が問題か』の本をじっくり読んで、この本1冊で住民説明会の際の資料を作ることにしました。
しかし、住人説明会に集まったのは理事会メンバーを除くと3~4人だけでした。そんな中、私30分ほど時間をもらい、資料を参加者に配り、電磁波の危険性や近隣トラブルなどのリスクについて説明したのですが、理事長をはじめ、理事のメンバーの方たちも、「電磁波過敏症になる人は人口の何パーセントですか?」とか、楽天は国の安全基準を満たしているとか、WHOはファクトシートで安全と言っているとか、お決まりの話に終始し、こちらの反対理由をほとんど考慮してくれませんでした。さらに、うちのマンション前には320人もの園児が通う巨大幼稚園があるのですが、宮崎県小林市の園児が鼻血を出している写真まで見せましたが、理事長の反応は「小さな子はよく鼻血を出すものですからね…」の一言でした。
そんな中、唯一救われたのは、そこに参加していた住人の一人が、「あんた! さっきからセールストークばっかりして!」と楽天の担当者を一喝してくれたことです。この方も電磁波の危険性ついての本を読んでいたらしく、アンテナ設置には反対のようでした。しかしこの時はまだ、私は積極的に反対運動をする気持ちはありませんでした。
臨時総会で最終決議することを知り、ようやく反対運動へ
ところが、しばらくして2か月後に臨時総会を開き、そこで最終決議をすることを理事会が決定したことを知り、このままの流れで行くと、住人が詳しいことを知らないまま、何となくアンテナ設置が決議されてしまう可能性が有ることにようやく気が付きました。
でも何から手を付ければ良いか分からないので、先ずは説明会に参加した住人2人と、あと時々顔を合わせた時にお喋りをする住人の方、合計3人に声をかけました。幸い3人とも反対の意見でしたので、このメンバーで反対運動をすることにしました。それからマンションの目の前にある巨大幼稚園の園長に、うちのマンション屋上に楽天のアンテナ設置の計画が有ることを伝えました。
園長には私の『電磁波の何が問題か』の本を参考資料としてお渡ししました。園長から「理事会からも一度話を聞きたい」と言われたのですが、理事長に伝えると「住人以外の人にいちいち説明する気はないし、説明する必要はないと思っている」との返事で、やむなく反対メンバー3人と私で園長と話をすることになりました。
こうした頑な理事会メンバーの対応に私は、幼い子供がこのままでは犠牲になってしまうこと、マンション住人も電磁波の危険性を一切知らされずに決議を強いられてしまうことに苛立ちと一抹の不安を感じ、悩みました。そもそも反対運動などやったこともないし、もしマンションの住民から余計なことをしていると思われ、住みにくくなったらどうしよう…また、近隣の住民にも知らせるべきだとは思うが、どうやって伝えれば良いのか…チラシで告知すれば、何かクレームを言ってくる人がいるのではないか?などあれこれ考えると、本当に胃が痛くなったり、時には眠れなくなったりする日々が続きました。
配布資料を作ることに…
でも、決議までの日は刻々と近づいてくるので、「もう待っていられない!」とようやく覚悟を決め、マンション住人用と近隣住人用の資料を作ることにしました。近隣住人用のものには私の名前と住所を記載し、1000枚印刷しました。住所や名前を公開することに、正直不安や恐怖もありましたが、こうしなければいたずらと思われてしまう可能性もあると考え、覚悟を決めました。近隣住人用のチラシには、個人情報は求めず、「マンション名」と「反対します」という意見だけ、メールか手紙(近隣なので私の家のポストに投函)で書いて知らせてもらうようにお願いし、これを近隣マンションだけにポスティングすることにしました。(戸建ての方は名前が必要になるので外しました)
しかしこの時点でもまだ私の中には、不安がいっぱいだったので、まず知り合いの住んでいるマンションに行き、今からやろうとしていることを説明し、「もしお願いできるならここのポストにもこのチラシを投函させてもらえないか?」と頼んでみました。知り合いと言っても、子供が昔、幼稚園や小学校で一緒だっただけで、最近は全く連絡をとっていない人達ばかりだったので、そこへ訪ねていくのにもかなりの勇気が必要でした。でも実際に訪ねてみると、思っていたよりずっと話を聞いてくれ、さらに励ましてくれました。それで、これを機に、私は本格的に反対運動をする気持ちが固まり、1000枚のチラシも平日の夜仕事が終わってから、娘に手伝ってもらって、自転車で配布しました。
一番の難関!マンション住人の訪問
そして次に取りかかったのが、自分のマンション住人に渡す資料です。この資料は、いきなりアンテナ設置反対!というよりも、「決議をするのは早過ぎるのではないか?」といったタイトルにしました。その方が話を聞いてもらいやすいと思ったからです。もちろん、その中にはアンテナ設置のリスクなどや、説明会での楽天とのやり取りなども記載しました。
こうして資料は出来上がったのですが、私は平日仕事でマンションにはそれほど親しい人がいるわけではなかったため、訪問すると迷惑がられるのでは?…という不安を感じ、楽なポスティングで済まそうかとも思いました。でも今回の議決は、住民の4分の3の賛成で可決されるため、反対者を9人集める必要があります。ポスティングだけでそんなに反対者を集めることが出来るだろうか?…そこで思い切って電磁波研スタッフに電話をかけて聞いてみることにしたのです。
これもあとで思うと、面識も全くないのに、本を読んだというだけで、よく思い切って電話をしたな!と思うのですが、その時はもう切羽詰まっていたのでそんなことを考える余裕すらなかったのだと思います。スタッフの方に電話をすると、「住人はポスティングじゃなくて、一軒一軒訪問して回るくらいで行かないとダメだよ!」と言われました。この一言が結果的に私の背中を押してくれ、私は反対派の3人のメンバーと手分けをしてマンション住人を訪問することにしました。理事会のメンバー6人は訪問しないことにし、説明会に来なかった住人だけ訪問しました。
いざ勇気を振り絞って、こわごわインターホンを押し「先日の説明会に参加されていなかった方にお伝えしたいことがある」と伝えると、多くの方は快く玄関に出て来られ、話を聞いてくださり、むしろ「きちんと調べてまとめて下さったんですね。有難うございます!」と感謝され、私は意外な反応に驚きました。1件だけ訪問していきなり、「私は賛成派ですから!」とピシャリと断られましたが…。こうして訪問を重ねた結果、私のポストにはアンテナ反対のメモが次々投函され、気が付けば否決数9人を超えた状態で、最終の臨時総会を迎えることが出来ました。
いざ臨時総会へ!
そして臨時総会でも意外なことがありました。それは、私には連絡がなかったのですが、私への委任状を管理組合のポストに投函してくれた人が1名いたことです。また、反対者は私が把握している人数よりずっと多く、臨時総会を欠席して議決票だけ出している反対者だけで、既に否決数に達していたのです! さらに賛成派だとばかり思っていた理事の中にも反対派がいたのです。これは、やはり資料を持って訪問したことが功を奏したのではないかと思っています。やはりスタッフの方がおっしゃる通りでした。
今回感じたこと…
訪問するのは、最初は本当に勇気が要りますが、やってみて思ったことは、やはりこちらの本当の思いは、訪問して話をしてみないと、相手になかなか伝わらないということです。一生懸命に話せば、その熱意のいくらかは届くのかも…と今回つくづく感じました。
こうして、最初は眠れなくなるほど悩みながら一人で始めたアンテナ反対運動も無事成功したので、今度は条例設置の請願をする活動をしようと思っています。まずは市議会議員の誰に頼むのかを今検討中です。もしかしたら、またこの活動の中でも署名運動など全くやったことのない、苦手なことが出てくるかも知れませんが、その時はまた誰かの力を借りて、乗り越えていこうと思っています。もちろん、私はそんなに強い人間ではありませんので、本音では誰かやってくれたら良いのにな…と都合の良いことを考えています。
奥野さんがマンション住民に配布したチラシ
早すぎる楽天アンテナ設置の決議!
×月×日に住民の「最終決議」が行われますが、まだ前回の説明会では契約に関する詳しい内容は、説明されていません!
本当にこのまま決議しても大丈夫なのでしょうか)
屋上アンテナ設置のリスクとしては…
1.「電磁波」被ばくによる健康被害とトラブルの急増
2.資産価値の下落
マンションの住民の皆様へ
私は×××号室の奥野です。突然このような手紙で失礼します。
昨年の×月×日には「楽天のアンテナ設置をめぐる説明会」が行われ、私も参加しましたが、その時には結局、理事を除き、住人の参加者は3、4人だけでした。
○月○日に最終決議が行われることを理事会は決定しましたが、本当に、まだあまり住民の方々が内容を知らないまま、決めてしまっても大丈夫なのでしょうか?
それがとても心配で、このような形で皆さんのご意見を伺いたいと思い、やむにやまれぬ気持ちでこの資料を作りました。もちろん、色々なご意見が有っても良いと思っています。ただそれにしても、もう少しじっくり住人で話し合う時間が必要ではないかと思っています。実際、近隣トラブルをかかえた不動産は、原則、販売することは出来なくなり、販売価格もかなり下がってしまいます。
楽天(R)の言い分とこちらの予想されるリスク
(R)アンテナから送信される電波は国の安全基準1000マイクロワットの50分の1,20マイクロワットなので、健康被害は起きない。
※実際にはその数値でも全国で多くの健康被害が起き、トラブルになっています。ヨーロッパなどでは、健康被害予防の観点から、2.4マイクロワットとか、1桁のとても低い安全基準を設けています。
(R)住人や近隣からのクレームは、楽天が用意するフリーダイヤルで対応するので問題ない。(電話対応のみ)
※電話対応だけでトラブルの解消出来るのでしょうか?
(R)近隣住民への説明会や告知は一切できない。
※今の時代はご存じの通り、「説明責任」が強く求められるので、もしこのまま近隣住民への説明会もしないまま決議してしまったら、当然近隣住民からのクレームが予想されます。
実際のトラブルも「知らないうちにアンテナが建った」ことが原因になっています。
(R)建築基準法を満たして屋上にアンテナを設置するが、違法建築でない限り、強風やその他の理由で屋上に被害が生じてもその場合は一切保証できない。
※建築基準法を満たしていても、かなりの重さ(1トン)のもの物を2つも屋上に設置することは、「雨漏りなどの原因にもなり得る」と建築専門家も警告しています。
そして被害が有った場合は、すべてこちらのマンションの共益費で補修することになります。
(R)台風や強風などでアンテナが倒壊することはない。(今回設置されるアンテナは1つの重さ約1tあり、2か所に設置予定です)
※建築の専門家によると、もともと設計段階から予定していないこれほどの重さのものを、後から屋上に設置することは、雨漏りや倒壊のおそれがあり、危険とのことです。
(R)今回のアンテナは4Gのみに利用するので、5Gの電波には使用しない。
※契約書にこうした事が約束されている訳ではないため、今建てるアンテナは当然5Gに向けてのモノと予想されます。さらに、5Gは全く新しいもの(ミリ波)で、さらに4Gよりも人体への影響が大きいと今ヨーロッパなどでは懸念されているものです。実際、5G実験禁止国もあります。
(R)アンテナの取り外しに関しては、取り外し料金などは求めない。
※これも契約書に本当に記載されるかどうか、分かりません。
(R)アンテナ設置をしたあとに、何らかの問題が有れば取り外すこともできる。
※実際のトラブル事例をみると、契約期間の間は取り外しが出来ず、それが大きな問題になっています。
(R)毎月賃料として楽天は管理組合に10万円を支払う。
※確かに毎月10万円が管理組合に入ることで、多少、共益費を減らすことができますが、アンテナが倒れたり、1tと言う重さで屋上に雨漏りなどが起きた場合は、それは当マンションの共益費で賄われますので、金額的にはマイナスです。さらに、トラブルが発展し、裁判になった場合、その裁判費用は200万~300万にまで膨れ上がる可能性もあります。
(R)近隣トラブルの話などは一切聞いたことがない。
※ちょっとネットなどで検索すれば、アンテナ設置のトラブルが全国で起きていることくらい、すぐに知ることが出来るのに、なぜ楽天が知らないのでしょうか? 実際、マンション住人や近隣とのトラブルが起きた場合、一体誰がそのクレームに対応するのでしょうか? 楽天側は当然フリーダイヤルの電話対応のみで、「国の安全基準」を守っているから大丈夫!と言って、実際に話し合いの場に来てくれません。大手メディアではスポンサーへの配慮から、あまりこうしたトラブルのニュースは報じられませんが、専門家によると、楽天だけでなく、NTTドコモやKDDI、ソフトバンクなどとアンテナ設置をめぐるトラブルが今現在、常時200件ほど起きているようです。過去に、この近くでは市内のあるマンションや、兵庫県川西市清和台などで健康被害をめぐるトラブルが実際に起きています。出典「電磁波の何が問題か」(緑風出版)
アンテナ設置で24時間被ばくする!
アトピー・花粉症などアレルギーのある人、ペースメーカー使用中の人は特に要注意です!
スマホでも既に被ばくしているのでは?…
電磁波はスマホや電子レンジ、パソコンなどからも出ていることは、皆さんご存じの通りです。しかしこの被ばくは、使っている時間だけで、電源を切ったり、ある程度離れることで被ばくを避けることが出来ます。しかし屋上アンテナは電源を切ることが出来ず、寝ている間も24時間365日休みなく被ばくします。それは、屋上アンテナから出た電磁波が周りの建物にあたり、乱反射して戻ってくるからです。実際、電磁波は窓を通りぬけて、部屋にも入って来ます。
そのため、時に睡眠時間中のホルモン低下を引き起こし、成長や免疫の低下、白血病、小児がんの誘発の可能性が有ります。(WHOも、電磁波はガンになるリスクがあると警告)特に、小さなお子様やお年寄り、専業主婦など、在宅時間が長い方はそれだけ被ばく量も多くなります。
さらに、アトピーや花粉症などアレルギーのある人は、「電磁波過敏症」になるリスクが高いと言われています。今までアレルギーのなかった方でも、24時間365日ずっと被ばくすれば、やはり電磁波過敏症を引き起こす可能性は高くなります。
電磁波過敏症の症状は…
不眠、めまい、吐き気、頭痛、倦怠感、疲労感などがあるそうです。症状がひどい方だと、呼吸困難、目鼻・のど・耳の粘膜の炎症、方向感覚の喪失、筋肉痛、胸部や腹部への圧迫感や痛み、うつ病、ガンなどが報告されています。
結局、被害者が泣き寝入りの現状…
現在の日本では、大勢の被害者が出て、多くの命が犠牲になり、言わば多くの人体実験によってはじめて、被害と原因の因果関係が証明され、ようやく国を動き出す…といったことを繰り返してきました。「アスベスト問題」や「薬害エイズ」「薬害C型肝炎」「喫煙問題」もそうです。電磁波も一部の専門家がいくら声をあげても、まだはっきりとした因果関係が証明されていないため、経済が優先されこうした危険性は無視されています。
世界一ゆるい安全基準の日本(30年前につくられたもの)
ヨーロッパやロシアなどは、日本より電磁波の人体への影響について研究がすすんでいるためか、因果関係がまだはっきりしていない段階でも、予防するという観点から、かなり厳しい電磁波の安全基準を設けています。それに比べて日本は、経済を優先するあまり、「世界一ゆるい安全基準」にしています。しかもこれは、総務省の「電波防護指針」に基づいており、30年前の基準のままです。なので、国の安全基準を満たしているからと言って、安全とは言い難いのではないでしょうか?
世界の安全基準
日本 1000μワット(/平方センチ、以下省略) リヒテンシュタイン 0.1μワット ロシア 2.4μワット ベルギー 2.4μワット ポーランド 2.4μワット ギリシャ 2.4μワット 中国 6.6μワット イタリア 10μワット スイス 2.4μワット パリ 1.06μワット
0才から5才までの幼い子供たちが被害に!
当マンションは、マンションに囲まれた環境で、しかも小さなお子さんのいる家庭も多く見受けられます。しかも、目の前には0才~5才までの320人の園児が通う「なかよし幼稚園」(仮名)が有り、子供たちが遊んでいる「人工芝の園庭」は、まさに道路を挟んだ真向かいにあります。距離にして15mも有るかないかです。もし、このまま住民だけで決議してしまうと、父兄からのクレームが予想され、大きなトラブルになる可能性もあります。特に5才までの小さなお子さんは、脳がまだ未成熟で、電磁波による影響は大人よりもはるかに大きいようです。
どうか〇月〇日の決議を延ばすのに賛同される方は、下記にチェックを入れて、×××号室奥野のポストまで投函お願い致します。
どちらか1つだけ✔を入れて下さっても結構です。
何かご意見がございましたら、メモを×××号奥野のポストへ投函お願いします。(申し訳ありませんが、平日は会社勤務のため)
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□私は〇月〇日の決議をいったん先に延ばすことに賛同します。
□私はアンテナ設置に反対します。
号室 お名前
メール ××××× 奥野宛