フランスの携帯電話研究 月15時間通話で脳腫瘍リスク増加

 フランス・ボルドーの公共衛生研究所(ISPED)の研究者らが携帯電話使用と脳腫瘍の関係を調べた論文が5月に公表されました。疫学調査では月平均15時間以上携帯電話で通話している人は、非常用者と比べて神経膠腫のリスクが4.04倍(95%信頼区間(CI)1.84~8.86)に増えるなど、総じてヘビーユーザーほどリスクが上がる結果でした。この論文のアブストラクト(要約)部分をご紹介します。原文は“Mobile phone use and brain tumours in the CERENAT case-control study” Published Online First 9 May 2014 Occupational & Environmental Medicine【網代太郎・訳も】

 高周波電磁界によるヒトの発がん作用は、論争中です。しかし、それらがある種の脳腫瘍の原因に関係している可能性があることは、示唆されています。

目的

 目的は、大人の携帯電話曝露と主な中枢神経系腫瘍(神経膠腫と髄膜腫)の間の関係を分析することでした。

方法

 CERENATは、2004-2006年でフランスの4つの地域で行われた複数の機関にまたがった症例対照研究です。携帯電話使用についてのデータは、対面方法で届けられる仔細なアンケートを通して集められました。
 マッチされたセットのための条件つきロジスティック回帰により、調節オッズ比(OR)と95%CIを推定しました。

結果

 合計253の神経膠腫、194の髄膜腫と、現地の選挙人名簿から選んだ892のマッチされた対照を分析しました。普通の携帯電話ユーザーと非使用者との比較で脳腫瘍との関係は観察されませんでした(神経膠腫OR1.24、95%CI0.86~1.77。髄膜腫OR0.90、95%CI0.61~1.34)。しかし、生涯の累積的な期間で検討すると、最もヘビーなユーザーで正の相関関係が統計的に有意でした(累積896時間以上で神経膠腫OR2.89、95%CI1.41~5.93。髄膜腫OR2.57、95%CI1.02~6.44。累積18360回以上で神経膠腫OR2.10、95%CI1.03~4.31)。リスクは神経膠腫、側頭腫瘍、職業上の使用、都市での使用について、より高くなっていました。

結論

 これらの新たなデータは、携帯電話のヘビーユースと脳腫瘍の関係の可能性に関して、従前の調査結果を支持しています。

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