会報第130号の主な記事

2021.5.30発行

スマートメーター拒否権 (オプトアウト) エネ庁からの聞き取りで問題点が明確に
「アナログではなく通信部外し」「追加料金」

エネ庁担当者(手前2名)から聞き取る当会大久保事務局長(奥右)と網代(奥左)

 経済産業省資源エネルギー庁(エネ庁)の「次世代スマートメーター制度検討会」(以下「今回の検討会」と言います)が、電磁波問題やプライバシー問題などを理由としたスマートメーターのオプトアウト(拒否)の権利を容認する方向を示した(会報前号参照)ことについて、当会はエネ庁の担当者から聞き取りを行いました。オプトアウトの具体的方法としては、通信部はずしを想定していることが確認できました。また、オプトアウトした需要家(電力消費者)へ追加料金を求める方針については、米国の事例のみをもとに安易に決めたことが明らかになりました。つづきを読む

米カリフォルニアの電力会社 電磁波過敏症の客にオプトアウト料金を返金

 米国の非営利団体「Environmental Health Trust」のウェブサイトは4月24日、スマートメーター拒否(オプトアウト)に伴う追加料金を障害者から取ることは違法であるという主張が認められたというレポートを掲載しました。この会報の前の記事で見た通り、次世代スマートメーター制度検討会「中間とりまとめ」(2月)にスマートメーター拒否の場合は追加料金を取る方向性を盛り込んだのは、米国の例にならったからだと資源エネルギー庁(エネ庁)の担当者は説明しました。そうであるならば、米国のこの新しい動きを踏まえて、エネ庁は追加料金徴収の方向性を見直さなければなりません。原文:ELECTRIC COMPANY PG&E REFUNDS SMART METER “OPT-OUT” FEES TO EMF DISABLED CUSTOMER

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スマートメーターの通信頻度はコンセントレータに近いほど多い
「セキュリティ」理由に市民に隠していた事実をエネ庁検討会の配布資料が公表

 スマートメーターについてよくある誤解は、30分に1回しか電波を出さないというものです。確かにそのメーターが計測している家庭などの電力使用量データの送信は30分に1回ですが、スマートメーターが送信しているデータはそれだけではありません。とりわけ、無線マルチホップ方式の場合は、コンセントレータという携帯電話基地局のようなものを目指して、そこから遠いスマートメーターから、より近いスマートメーターへと、バケツリレー方式でデータを受け渡していきます。したがって、30分に1回よりはるかに多い頻度で通信電波を出していますし、コンセントレータに近いほど、その頻度は増えます。これは無線マルチホップの原理を踏まえれば自明であり、機密情報でも何でもありません。
 ところが、電力会社及び経済産業省資源エネルギー庁(エネ庁)は、当会が「スマートメーターの通信頻度はコンセントレータに近いほど増えるという理解で良いか」と質問しても「セキュリティに万全を期すため」などの理由で、回答を拒否し続けてきました(会報第94号他)。つづきを読む

米国 電磁波の健康影響を学んだ医師へ免許更新に必要な単位を付与

山口みほさん(久留米大学非常勤講師、電磁波研会員)
 いつも大変お世話になり誠に有難うございます。お知らせしたい事があり投稿致します。
 2019年9月6日から8日まで、アメリカ・カリフォルニア州で「医療専門家の為の電磁界学会(EMF Conference for Health Professionals)」が開かれ、世界中の専門家(医師、研究者など)が携帯、携帯電波塔、Wi-Fiルーターを含む色々な物からの無線高周波放射の健康への影響について様々な面から焦点を当て、癌、生殖に及ぼす害、神経に及ぼす害や電磁波過敏症を含む様々な健康被害が起こるメカニズムや疫学研究について発表しました。
 また、この学会で学ぶことにより、医師および医師助手(physician assistants)[1]が、医師生涯教育プログラム「CME(Continuing Medical Education)」の単位を取ることを、全米的な専門機関[2]が認めました。つづきを読む

電磁波の健康影響の研究から 「電磁界医学学会2021」で報告した研究者らを中心に

山口みほさん(久留米大学非常勤講師、電磁波研会員)

マットソン博士

 前の記事で、米国の医師が免許更新に必要な生涯教育の単位を取れる電磁界についての学会をご紹介しましたが、今年の学会に関する記事を試訳しました。「電磁界医学学会2021(The EMF Medical Conference 2021)」のウェブサイト内のブログ記事で、今年1月28日から31日にかけて開かれたこの学会に先立ち、この学会で報告する医師、研究者らとその研究成果などが紹介されています。
 [ ]は訳注です。

「ラジオ周波数放射線(高周波電磁波)は神経毒性を持つ:ケーススタディ」

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スマホ依存で乳がんリスク増加 台湾の症例対照研究

概要
はじめに:乳がんは、世界的によく見られる悪性腫瘍である。スマートフォンは、徐々に現代の生活に欠かせないものとなり、すでに人々のライフスタイルを変えている。しかし、我々の知る限り、スマートフォンの使用と乳がんとの関係を調べた研究はない。今回のケースコントロール研究では、スマートフォンの使用と乳がんリスクとの関係を意図的に調査した。つづきを読む

各地の取り組み

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