スマホ依存で乳がんリスク増加 台湾の症例対照研究

台湾人女性におけるスマートフォン使用と乳がんリスクの関連性:症例対照研究
The Association Between Smartphone Use and Breast Cancer Risk Among Taiwanese Women: A Case-Control Study

石雅文
Ya-Wen Shih=シー・ヤーウェン
台北医学大学看護学部看護学科 他

『Cancer Management and Research』2020年10月29日

概要
はじめに:乳がんは、世界的によく見られる悪性腫瘍である。スマートフォンは、徐々に現代の生活に欠かせないものとなり、すでに人々のライフスタイルを変えている。しかし、我々の知る限り、スマートフォンの使用と乳がんとの関係を調べた研究はない。今回のケースコントロール研究では、スマートフォンの使用と乳がんリスクとの関係を意図的に調査した。
方法:本研究は、894名の健常対照者と211の乳がん患者からなる症例対照研究である。参加者全員に標準的なアンケートに回答してもらい、睡眠の質、スマートフォン依存、スマートフォンの使用に関する情報を収集した。
結果:スマートフォン依存がある[とアンケートに答えた]調査参加者は、[ないと答えた者と比べて]乳がんのリスクが1.43倍と有意に高かった。また、就寝前に4.5分より長くスマートフォンを使用する習慣のある人は、就寝前に4.5分以下スマートフォンを使用する人と比較して、乳がんのリスクが5.27倍に有意に増加した。さらに、スマートフォン使用時のスマートフォンと胸の距離が近い[スマホを手に持って乳房から10cm程度]と、[スマホを机に置いて35cm程度離している者と比べて]1.59倍のリスクの有意な増加を示した。また、スマートフォンを胸や腰腹部付近で携帯していた参加者は、腰下で携帯していた者に比べて、乳がんのリスクがそれぞれ5.03倍、4.06倍に有意に増加していた。さらに、乳がんリスクを高めるスマートフォン依存と就寝前の4.5分超のスマートフォン使用の相乗効果が認められた。
結論:スマートフォンの過度の使用は、特にスマートフォン依存、乳房とスマートフォンの距離が近い、就寝前にスマートフォンを使用する習慣がある参加者で、乳がんリスクを有意に増加させた。
【訳・網代太郎】([ ]は訳注)

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