電磁波による攻撃とは

 当会(電磁波問題市民研究会)は、電磁波による非意図的な健康影響をテーマとする団体です。なので、当会が本来扱うテーマとは異なりますが、電磁波による意図的な攻撃とはどのようなものなのか、調べてみました。
 電磁波攻撃とは、一般的にHPEM(High Power Electromagnetic, 高電力電磁波)により、コンピュータや、IT機器を故障させたり正常な動作を妨害するなどの攻撃です。通常、電子機器に誤作動を起こさせない3~10V/mを超える100V/m以上のピーク電界強度で、100MHz程度までの電磁波を放射するそうです。
 HPEMによる攻撃方法としては、攻撃対象の機器のアンテナ端子など本来の信号の入口から電磁波を侵入させる方法と、本来は信号の出入口でない経路から侵入させる方法があるとのことです。
 スマートメーターを含むスマートグリッド(通信機能強化などを施した送配電網)も攻撃対象になり得ます。HPEMで戦車や戦闘機を攻撃して通信機を故障させれば、戦闘能力を奪うことができます。
 ワゴン車の車載電源を使用した装置でも300V/mぐらいの電界強度を発生させられるとのことですが、さらに大規模に発生させるものとして、電磁爆弾(e-Bomb)があり、既に米軍は装備しているとのことです。空中で爆発させ電磁波を放射させて社会インフラを麻痺させることで、人を殺さずに(電磁波過敏症などの電磁波障害は増えるかもしれませんが)敵の戦意を失わせるという戦闘が想定されています。

e-Bomb(HPEM)の例

 また、核爆弾を低い高度で爆発させると広島や長崎のような状況になりますが、高い高度で爆発させると電磁波だけが降ってくるという現象が起きます。1962年に米国がジョンストン島上空で核実験を行った時に、約1000km離れたハワイ島の電源設備、通信回線が故障し、低軌道上の人工衛星が障害を受けたとの報告があるそうです。

特定個人への攻撃は考えられない
 以上のように、電磁波攻撃は、国家などの軍隊やその他の組織が、戦闘行為などとして行うものです。
 自分が電磁波攻撃を受けていると訴える方々がいらっしゃいますが、特定の一個人を狙った電磁波攻撃はあり得ないと筆者(網代)及び当会は考えております。理由は、コストと手間がかかる電磁波攻撃を、一市民に行うことに合理性がないからです。不特定多数を巻き込まず、特定個人のみを狙うためには、直進性が高い電磁波、すなわち周波数が極めて高い数十GHz以上の電磁波などを使用する必要があると思われます。そのような高い周波数の電磁波は到達距離が短いので、離れた目標を狙うためには、出力をかなり上げる必要があり、たくさんの電力を必要とします。そもそも人件費もかかります。政府や財界首脳などのVIPが対象なら話は別かもしれませんが、一市民に対して、これほどコストパフォーマンスが低い攻撃をする理由がありません。
 また、電磁波攻撃を受けていると訴える方々から、攻撃される理由や、攻撃をする側にどのようなメリットがあるのか、合理的な説明を聞いたことがありません。
 化学物質過敏症や電磁波過敏症で起こる症状の種類は個人差が大きいのですが、うつなどの精神症状が出る方はけっこう多いようです。過敏症が改善すれば、うつ症状も軽減します。同様に過敏症によって「被害妄想」的な症状が出る方々がいらっしゃると思われます。過敏症にきちんと対処して改善を図ることによって、そのような症状も治まっていくでしょう。【網代太郎】
(参考文献)
瀬戸信二「電磁波を利用する意図的な攻撃脅威について」電磁環境工学情報No.336 2016年4月
関口秀紀ほか「電磁現象に起因する情報通信機器のセキュリティ問題」電子情報通信学会通信ソサイエティマガジンNo.10 2009年

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