電磁波過敏症の労働者の体調悪化は労災 フランスの裁判所が初認定

訳・武藤由紀子さん

 フランスのニュース・メディアのウェブサイト「20minutes」10月11日付の記事によると、電磁波曝露が少ない仕事への配置転換を勤務先から拒否されたため体調を崩したとする電磁波過敏症の男性の訴えをフランスの裁判所が認めて、労働災害であると認定しました。この記事を紹介いたします。記事のタイトルは、Yvelines: Un homme reconnu victime d’accident du travail en raison de son électrosensibilité



 フランスの首都パリの西に位置するイブリーヌ県社会保障裁判所は、電磁波過敏症の診断を受けていたある男性に労働災害を認定した。この男性の弁護士であるフランソワ・ラフォルグ氏によるとフランスでは初の判決となる。電気通信事業者の顧客サービスを担当していた技術職の男性は、2013年11月に職場で体調を崩した。この男性は2011年より電磁波過敏症と診断されていたが、電磁波にさらされることのより少ない仕事への配置転換を、という産業医の勧告が2度に渡って行われていたにもかかわらず、同じ仕事に留め置かれていたとラフォルグ氏は語る。

電磁波過敏症
 今年9月27日に社会保障裁判所が出した判決においては、他に特殊な要因は見受けられず、男性の体調悪化は仕事によるものと考え得ると判断された。そして国の健康保険基金に、男性に対して1600ユーロ(約20万円)の支払いと、裁判費用2000ユーロ(約25万円)の負担を命じた。
 裁判で最初に提出された医学的見解では、「不安障害によって引き起こされた精神的な要因の体調不良である。」と結論付けられていた。

体調不良と仕事との因果関係

 しかし別の医師が提出した2度目の診断では、「男性が体調不良に陥った時の症状は、
電磁波過敏症の症状と見ても矛盾しない可能性もある。」と1歩進んだ判断を下し、「体調不良と仕事との因果関係を完全に否定することは出来ない。」と明確に述べられていた。
 「電磁波過敏症の犠牲になっている他の人々にとっても、風穴を開けることになるフランス初の判決。」とこれを歓迎しているラフォルグ氏は、携帯電話用中継基地局の規制に取り組んでいる団体の弁護も担当している。今後、電磁波過敏症に関する十数件の訴訟に取り組み、障がい年金や手当、また職場での配置転換などを求めてゆくと語っている。

 

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