スマートメーターを拒否したら四国電力が文書で「電気止める」

大河原雅子事務所と連携し、中古アナログメーターで落着

会員からの相談電話
 6月20日(火)、愛媛県松山市に住む会員の原山さん(仮名)から電話が来ました。「私たち夫婦はスマートメーターに反対してきましたが、本日、四国電力から書留で『スマメに反対するなら6月30日に電気を止める』という文書が届きました」と切羽詰まった内容でした。当会はスマメ問題についてはあくまで当事者間の問題で解決すべきと考え、当会はアドバイスだけにしています。しかし、電気を止めるとなると話は変わります。
 「とりあえずメールで四国電力の文書を送ってください。後日コピーした文書を郵送で送ってください」とお答えしました。

6月20日に文書が届き、10日後に電気止めるという横暴さ
 原山さん宅に届いた内容証明文書は「新しい計量器への取替について、再三のお願いを致しておりますが、ご承諾いただいておりません。このままでは、計量法違反となり電気を供給することができなくなります。つきましては、令和5年6月27日15時00分に、電力量計の取替工事を実施させていただきます。(中略)なお、敷地内への立ち入りができず、当該電力量計の取替工事が行えない場合は、弊社といたしましでは誠に不本意ながら、託送供給等約款の定めに基づき、電気の供給を令和5年6月30日16時00分停止させていただくこととなりますので、あらかじめ通知いたします」とあります。その前にスマメに交換します、反対です、のやり取りがあったとしても6月20日に文書が届き、6月30日に電気を止めます、というのは乱暴すぎます。

担当課長は「本社と話し合って文書出した」と強気
 文書を出したのは「四国電力送配電株式会社松山支社ネットワークサービス部配電管理課長奥野慎二」とあります。そこで私(事務局長)から奥野課長に直接電話をしました。
「電磁波問題市民研究会事務局長の大久保です。松山市の原山さんの件です。スマートメーターを強制する法律はありません、との回答を私たちは経産省資源エネルギー庁の担当者から受けています。強制する法律はないので、あくまでユーザーに説得と納得を求める努力をするが、それ以上は強制になります。電気を止めるというのは電力会社の公共性からして簡単にすべきではありません。これまでに関西電力の2つの営業所でユーザーに『電気を止める』との文書が出ましたが、あとで撤回されました。」
 これに対し奥野課長は「この文書を本社と連絡した上でのものです。四国電力送配電の考えです」と強気です。私「そうなると資源エネルギー庁と異なる見解となります。私のほうでも経産省と連絡とって対応します。電力会社本社がこうした対応をとるのは初めてです」。

経産省担当者はなかなか捕まらず、四国電力課長から電話あり
 そこで経産省資源エネルギー庁電力・ガス事業部政策課電力産業・市場室の郷原遼室長補佐に連絡をしました。しかし3回ほど電話しましたが、いずれも「外出」「不在」「休暇」で連絡がとれません。タイムリミットが6月30日なので悠長にしているわけにはいきません。
 6月21日(水)に四国電力奥野課長から電話がありました。「電磁波問題市民研究会のホームページは見ました。原山さんのことはどこまでご存知ですか」―私「原山さんの奥さんは電磁波過敏症です、スマメに反対しています。健康被害だけでなくプライバシー問題の観点からもスマメに反対しています」。
 奥野課長「計量法に違反することはどう考えますか」―私「スマメを強制する法律はありません。計量法は10年に1回交換を決めていますが、スマメの交換は計量法に規定していません。電力会社がアナメをつくればいい話です。私は計量法期限を過ぎてアナメを使っていますが、東京電力は電気を止めるなんでバカなことはいいません」。
 奥野課長「そしたらどうやって電力消費を把握しているのですか」―私「過去のデータで消費量を算出したり、人によっては古いアナメの数値をそのまま採用しているケースもあります」。
 少し強気姿勢が変化したかと思いましたが、原山さんに連絡すると「相変わらす電気止めると言っています。しつこく電話が来て困っています。家の周りを四国電力の人がうろつきまわっています」というありさま。

大河原雅子事務所に連絡をとる
 経産省担当者がつかまらないので、大河原雅子衆議院議員事務所と連絡を取り、事情を説明し、経産省担当者とアポを取りたいと要請しました。6月22日(木)に事情を書いた文書を作成しましたが、当方のファクスが調子悪く、送れたのは6月22日(木)の深夜。私も21日(水)は電磁波研定例会があり、22日(木)と23日(金)は昼間の仕事が入っており、あまり自由な時間は取れませんでした。
 6月23日(金)に大河原事務所の塩田政策秘書に電話したら「ファクス見ました。議員と話しましたが、急ぐので、担当者と会うよりファクスをそのまま経産省に送りました。回答は6月26日に来ます」。適確な判断に感謝。その旨を原山さんにも連絡。「ファクス届きました。とても力強く感じます。奥野課長から何度も電話がきています」。

経産省から回答、その中に妥協案あり
 6月26日(月)に塩田秘書と連絡とったら「経産省から回答来ました」とのこと。すぐにファクスを見ましたら、その中に「検定期限を2年余り残している従来式計器への取替」があります。びっくりしました。四国電力としてぎりぎりの妥協案を出していたのです。すぐに原山さんに電話しました。私「経産省から回答来ました。その中に四国電力からアナメの提案があるじゃないですか。なんでこんな大事なことを教えてくれないのですか」―原山さん「つい3日前にきたばかりです。10年の期限がないのですぐにまた期限がきます」―私「もう新品は製造していません。2年余りあるアナメへの交換は受けるべきです」。

一転落着
 大河原事務所に「2年余り期限のあるアナメで決着するよう原山さんに伝えました」と連絡。この間の塩田政策秘書の機敏な対応には感謝しかありません。
 6月27日(火)、原山さんからメールあり。「今日、アナメに交換しました。大事なことを伝えなくてすみません。最初に四国電力から電気止めるという話が来たときはどうしていいかわかりませんでした」―私「よかったですね。また2年後にはご助力します」。
 一時はどうなるか、緊迫した1週間でした。あらためて大河原事務所に御礼申し上げます。【大久保貞利】

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