各国の映画祭で評価されている海外の電磁波過敏症アニメ

 電磁波過敏症(EHS)をテーマにしたアニメーション映画「リメンバリング・ニアフィールド(Remembering Nearfield)」が、「カンヌ世界映画賞(Cannes World Film Festival 〜Remenber The Future〜)」の最優秀健康映画賞を受賞しました。ただし、日本でも報道される、あの「カンヌ国際映画祭(Cannes International Film Festival)」とは別の催しです。この映画は今年4月以来、235以上の映画祭にエントリーして10の賞を受賞しています[1]。
 監督は、英国のショーン・アレクサンダー・カーニー(Sean Alexander Carney)で、プロデューサー、アニメーターも務めました。EHSと診断されたコリエル・ヴァン・ヴーレン氏がナレーションを務めています。
 この映画の報道資料は、映画について、以下の通り紹介しています。

「リメンバリング・ニアフィールド(ニアフィールドを忘れない)」
 家族と事業に献身的な妻であり企業家であった女性が、謎の健康状態の悪化によってすべてを失うという悲劇が起きた。なぜ彼女は孤独になり、社会でやっていけなくなったのか? 彼女は一連の出来事と、最後の不快な診断を通してその答えを知る。100年以上も放置されタブー視された障害によって、彼女はどのように不自由になったのか? 彼女の診断につきまとう偏見の重さは、人々の間で障害の報告が増えていることと同じくらい衝撃的だ。この明解なアニメーション映画では、主人公の世界に吸い込まれるように、社会的排除、深い不安、無力、救済策の模索を垣間見ることができる。電磁場から来るこのような病気は“クレイジー”であり、自分の身に起こるはずがないと、他人と同様に思い込んでいた彼女と、私たちは向き合うことになる。私たちは、彼女がそうであったように、自分自身を取り巻く環境が、いかに私たちの健康を脅かしているかを思い知らされるのだ。

 カーニー監督の出身大学のウェブサイトの記事[2]によると、カーニー監督は卒業後、ランセット誌を含むロンドンで最も多作で権威のある科学出版物に携わってキャリアを築き、健康と障害に関連する問題に関して科学界との関わりを持ち続けています。彼はまた、電磁波の安全キャンペーンを行う人々や慈善団体、安全技術の弁護士やエンジニアともオープンな対話を続けています。「リメンバリング・ニアフィールド」は、著名な科学者、業界の専門家、映画評論家たちから好意的な評価を得ています。
 同記事は、カーニー監督のコメントを、以下の通り紹介しています。
 私は、社会的な問題に対して明確な視点と明快さをもって議論するインディペンデント映画を通して、社会が啓蒙されると信じています。社会変革は、社会の声なき声に声を与える映画を通して可能だと信じています。科学者によって100年以上前から認識されている健康問題であるにもかかわらず、電磁波による害や障害の問題が社会的に無視されているため、緊急の人権問題であるにもかかわらず、十分に注目されていないのです。私の映画が、有意義な世界的対話のきっかけとなり、必要な社会的変化をもたらすか、少なくともその方向に真剣に動き出すことを願っています。
 映画は以下で観ることができます。https://vimeo.com/810958040【網代太郎】
 
[1] ENVIRONMENTAL HEALTH TRUST
「REMEMBERING NEARFIELD FILM ON ELECTROMAGNETIC RADIATION, AWARDED BEST HEALTH FILM AT CANNES WORLD FILM FESTIVAL」7月31日

[2]サンダーランド大学「Sunderland filmmaker shines global spotlight on electrohypersensitivity」6月14日

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