「携帯の電磁波、気にしなくて良い」 テレビ朝日に訂正放送を要求

「くりぃむしちゅーのハナタカ!優越館」(2017年6月29日放送)より

 テレビ朝日が6月29日に放送したバラエティ番組「くりぃむしちゅーのハナタカ!優越館」の中で、携帯電話やスマートフォン(スマホ)の人体への影響について取り上げ、携帯電話などの電磁波は「気にする必要はない」と断定する放送を行いました。当会は「携帯電話等の電磁波は、国際がん研究機関が『人に発がん性があるかもしれない』と評価しているものであり、海外の研究者が安全なのかどうか研究を継続しているものであり、海外各国政府が市民に対して用心するよう呼びかけているものです。これらの事実に反して、不正確な情報に基づいて『気にしなくてもいい』のが『今の常識』と断定的に放送することは、視聴者をはじめとする市民の健康を損ねる重大な影響を引き起こす恐れがあります」として、速やかに訂正の放送を行うことを求める要求書をテレビ朝日社長宛に7月20日付で送付しました。
 携帯電磁波についてのこの放送は、ホームドラマ風のシーンで開始。お母さん風の女性が携帯で通話しながらリビングのソファに座ると、隣に座っていたおばあさん風の女性が「私の近くで携帯使わないで。電磁波が体に影響するでしょう」と苦言。「そんな気にするほど?」「少しは仕方がないけれど、できるだけ影響受けないようにしないと…」といったやりとりが展開されました。その後、街頭インタビューと思われるシーン、スタジオのタレントに意見を聞くシーンをはさんで、次の通りのナレーションが流れました。「その通り、気にする必要はないそうです。以前は今とは違う電波だったため、体への影響が考えられていましたが、今の携帯電話は人体に支障をきたさないよう、法律で規制されているんです。なので、電車や病院でも電源切らなくてもいい所が増えましたよね」。
 携帯電磁波については、わずか1分少々放送されただけですが、テレビによる影響は大きく、当会にも会員の方々から問い合わせがあり、看過できないと考えました。
 要求書は、1カ月以内に社の検討結果を文書で知らせることも併せて要求。また、以下の各団体、および個人4名にご賛同いただきました。アナログメーターの存続を望む会(代表 東麻衣子)、化学物質過敏症・電磁波過敏症倶楽部(代表 金城学)、化学物質過敏症・ゆるゆる仲間(世話人代表 福田喜代子)、化学物質問題市民研究会(代表 藤原寿和)、「携帯電話・スマホ電源オフ車両」を求める会(代表 古庄弘枝)、特定非営利活動法人市民科学研究室(代表理事 上田昌文)、中継塔問題を考える九州ネットワーク(世話人代表 中原節子)。
 要求書は当会のウェブサイトに掲載します。【網代太郎】

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