携帯基地局問題の院内集会で福島瑞穂議員が要求 消費者庁と総務省、電磁波の相談件数を公表

 8月24日の基地局問題院内集会での福島瑞穂参議院議員による要求に対し、総務省電波環境課と消費者庁消費安全課からの回答が同議員の事務所に届きました。院内集会の成果の一つです。
 院内集会の省庁交渉で、総務省に対して「自宅の近隣に基地局が設置されたことで、電磁波過敏症を発症したという人が多くいることから、そうした訴えがありましたらすべてご教示ください」と求めたところ、総務省の担当者は「総務省が設置をしている電波の安全性に関する相談窓口(電話番号0570-021-021)に、電磁過敏症に関する相談はございますけれども、詳細につきましては相談者のプライバシーに関わることですので、回答できません」と回答拒否。参加者から「個人情報以外を公表できるはず」という抗議の声が多数上がりました。
 また、厚生労働省への「基地局からの電磁波による症状を訴える声は貴省に届いていますか。どのような声が何人ぐらいから届いているか、お示しください」との質問に、厚労省の担当者は「厚労省では把握しておりません」と回答。筆者(大久保)が「国民生活センターへは、基地局についてかなり訴えられています。だから厚労省はその気になれば国民生活センターと連携して、どういう被害があるかはやればできるんです。そういう新しい発想を持ってほしいんです」と指摘。これを受けて、福島議員が発言し「国民生活センターに、たくさん相談が寄せられているのであれば、それを取り寄せて分析するとか検討するっていうことを、厚生労働省としてはやってくださいませんか」と要求。厚労省が「そうしたことを消費者庁と連帯して調査しますといったことは、ここで答えるのは難しいです」と述べると、福島議員は「この場では難しいということですが、ぜひ持ち帰って検討していただきたいです」とたたみかけました(会報前号参照)。

総務省からの回答

 総務省からの回答によると、昨年度(令和4年度)の1年間で「電磁過敏症関係の相談 計21件」(電磁波過敏症でなく「電磁過敏症」と呼ぶのは、電磁界情報センターの大久保千代治氏がWHOのファクトシートを翻訳したときに「電磁過敏症」と訳したことがきっかけになって一部に広まったと考えられます)。そのうち「相談者本人が訴えるもの 15件」で、「相談者の家族が訴えるもの 1件」、「不動産業者等に対して住民が訴えているもの 2件」、「その他 3件」。そして参考として「電磁過敏症を訴える方の主な症例」として、「頭痛、音(声)が聞こえる、耳鳴り、体が熱い、など。なお、漠然と健康被害や体調不良を訴える相談も多いです」としています。
 「症状(複数回答あり)」の内訳は「体調不良(具体的な症状が不明なものを含む22件)「痛み・刺激・しびれ5件」「頭痛5件」「音や声が聞こえる・映像が見える 4件」「耳鳴り3件」「めまい3件」「不眠2件」「下痢1件」「血圧・心拍上昇1件」「血腫1件」となっています。
 1年間で21件という数字は、過敏症で悩んでいる方々のごく一部でしょう。相談しても、その場ですぐに良い回答がないことが多いかもしれませんが、声を届けなければ行政は知らないままで、無かったことにされてしまいます。皆さん、電磁波の被害による健康被害を行政に届けるために、総務省、経済産業省、厚生労働省、環境省、各自治体、国民生活センター、保健所等にどしどし手紙、電話、ファックス、メール等で訴えましょう。消費者ホットライン「188」へ電話すれば、自分が住む地域の消費生活センターや消費生活相談窓口が案内されます。数は力です。【大久保貞利】

消費者庁からの回答
Verified by MonsterInsights