スマートメーターによる健康被害を受けて

東麻衣子さん(アナログメーターの存続を望む会)

 アナログメーターの存続を望む会の東と申します。2001年から勤務していた職場のたばこの煙で2004年に受動喫煙症になりました。2007年4月に家族がプラモデルを閉め切った部屋で作っていて、私が扉を開けた瞬間有機溶剤を吸い込んでしまい、あわせて化学物質過敏症(CS)を発症しました。受動喫煙症になった時点でいろいろ調べてCSの知識はあったので、自分がCSになったことにすぐに気づいて、専門医のふくずみアレルギー科を受診しました。翌5月には電磁波過敏症(ES)を発症していました。幸い、早期発見、早期治療により、現在は寛解状態まで回復しています。昨年2月にスマートメーターが設置され、ESが悪化しました。アナログメーターに戻してもらえるような署名活動をしなければということで、会として活動を始めました。

スマートメーターは突然に
 スマートメーターは突然設置されました。2015年1月の中旬から下旬ごろ、小さい紙がポストに入っていました。そこには、電気メーターを交換するということだけが書いてあって「電気メーター」としか書いていませんでした。スマートメーターのことは頭の片隅にはあったのですけれども、スルーしちゃったのですね。ここが一番の失敗です。2月6日、仕事から帰ってドアを開けた途端に、ものすごいめまいに襲われて倒れました。集合住宅なのでドアの後ろに小さなポストがあり、「スマートメーターに交換しました」というお知らせが入っていました。もともと電磁波過敏だったので、この急激なめまいは電磁波の影響だとすぐに推測できました。これは私にとってはとても幸いなことだったと思います。普通の健康な人だったら多分「疲れがたまっているのだろうなあ」とか「ちょっと調子が悪いのかなあ」ということで、電磁波のことを見過ごしていたのではないかと思います。スマートメーター設置は事後報告で、頼んでもいないのに設置されちゃいました。他の電力会社を調べてみたら、中部電力と東京電力は事前にスマートメーターの設置を告知するので、まだ、まともです。関西電力はだまし討ちです。気づいたら、スマートメーターにされていました。

様々なところに報告、相談
 すぐに、いろいろなところに報告、相談をしました。インターネットで調べて、一番最初に連絡したのが、電磁波問題市民研究会の大久保事務局長。「スマートメーターにされてしまった。署名運動をしたい」と報告したら「スマートメーターは撤去できる」ということを教えていただいたので、すごく心強かったです。
 次に、ふくずみアレルギー科の吹角隆之先生。近隣の住民へどう対応したら良いか、交渉術についていろいろ教えていただきました。また、環境ジャーナリストの加藤やすこさんを紹介していただきました。加藤さんに連絡をとって、彼女が作っていたスマートメーターのリーフレットと資料をいただいて、『週刊金曜日』に私の事例を含めてスマートメーターの健康被害について記事を書いていただきました。
 最後に、消費者センターに「スマートメーターで体調が悪くなった」と報告しましたが、被害報告は私が初めてだったそうです。なので皆さん、どんどん声を上げてください。消費者センターを通じて法務省に確認をとってもらいましたが、スマートメーター設置の法的義務はないと確認できました。

自宅はアナログメーターへ交換したが
 スマートメーターに替わった日にすぐに関西電力に電話して「アナログメーターに替えてください」と言いましたが「もう製造していないので、在庫がない」と言われました。「どうしても替えてもらえないと、ここに住めない。しんどい。つらい」と、ほとんど泣き落としで、延々30分お願いし倒して、そうしたら「いったん電話切ります」。30分後電話がきて、在庫ないない言うてたのに「1個だけありました」と。おかしいですよね、あれだけないない言っていたのに後から「ありました」。「うそやろ」と思いました。
 その日のうちに、夜遅かったですけれども作業員に来てもらって、10年間使えるアナログメーターに交換してもらったのです。それで治るかなあと思ったのですが、両隣の家のスマートメーターに挟まれているので、めまいは治まりませんでした。もともと持っていた電磁波シールドパーカーを着て一晩しのいで、翌日、子どもを連れて実家へ避難しました。
 いったん荷物を取りに実家から家へ戻りましたが、家に近づいただけでめまいがして、家から離れた楽になるので、やはりスマートメーターのせいだなと思いました。
 2月9日に両隣のスマートメーターもアナログメーターに戻してほしいと関西電力に電話しましたが「契約変更の権限がないためダメです」。そりゃそうですね、他人の家のメーターを勝手に替えたらあかんなというのは、確かにその通りなので、両隣の人にお願いして、その方から直接申し込めば変更できるのではないかと思いました。
 その後、関西電力から自宅で立ち会いたいという連絡が私に来ました。「これはチャンスや」と思って、2月18日に「こんだけしんどいんです。こんだけふらつくんです」という姿を見せました。なのに「電磁波の影響ではない」と突っぱねられました。
 2月20日にまた関西電力に電話して、スマートメーターはどれくらいの頻度で電気使用量を測っているのと聞いたら、毎時0分と30分に送信しているそうです。マイクロ波の数値については、20dBm(デシベルミリ。編注:100mW)とだけ回答されました。アナログメーターの在庫数については非公開とのことでした。「スマートメーター設置で中古のアナログメーターが大量にあるはずですけど」って突っ込んだら、黙ってしまいました。

マンションの住民と交渉へ
 主治医の吹角先生に「近隣住民にどないして交渉したらいいか」教えてもらいました。

  • 一人で交渉しない。
  • できれば、仲間を作ること。今回は私と同じマンションに住んでいた友だちがとても協力的で、彼女につきあってもらいました。
  • できれば、オピニオンリーダー(影響力のある人)と一緒に行動する。
  • 自分は交渉の前面には出ないで、オピニオンリーダーに口添えしてもらう。
  • 言いたいことは3割に抑え情に訴える。これは一番難しいです。めっちゃ言いたいですけれども、ぐっと抑えて。
  • 低姿勢でゆっくり、冷静に伝えること。
  • オピニオンリーダーにも、同調してもらうこと。
  • 小さい子どもがいる、アレルギーがあることを伝えると効果があることも。うちには4歳の子がいます。アレルギーもあります。

 吹角先生のアドバイスに従って、マンションの友だちに同行してもらいながら行きました。ちなみに、その友だちの家も、スマートメーターからアナログメーターに替えてもらっています。鮎川さんが測定したのが、そのアナログメーターです。
 交渉の3点セットを持って行くことにしました。

 ①スマートメーターのリーフレット(いのち環境ネットワーク作成)。スマートメーターの有害な情報をいっぱい書いても興味がある人は見ないので、短いものが良いです。

 ②アナログメーター交換のお願いの用紙。どうやったらアナログメーターに戻せるかを、私が書類を作ったものです。

 ③菓子折り。気持ちとして。

両隣がアナログメーターに交換
 2月14日、スマートメーターで体調を崩して家に住めなくなったことを簡単に説明して、あとは友だちにスマートメーターの危険性について話してもらい、アナログメーターに戻す連絡を関西電力にしてほしいとお願いをして、詳しいことは、これを見てくださいと、上記①②の紙を渡しました。本当につらそうな姿を見て同情してくださったんですね。本当に良い方々で「そんなに言うのやったら。お金もかからないし、電話一本で済むのやったら」ということで、幸いなことに、両隣の方々が承諾してくださいました。
 14日が土曜日だったので、16日の月曜に両隣の方々がすぐに関西電力に連絡をしてくださいました。在庫がないない言いながらも2月25日に替えてくれました。ただ関西電力は替えたことを私には教えてくれません。契約者ではないので。試しに戻ってみて症状が治まっていたので、ドアの中を見てアナログメーターに戻っていることを確認して、無事、避難先から帰宅することができました。

アナログメーターは30年使える
 先程の網代さんの話にもありましたが、アナログメーターの寿命は30年あります。オーバーホール(分解、洗浄)をすることで使えるので、まだまだ在庫があると思います。

営業所によって異なる対応
 関西電力は、営業所によって対応が全然違っています。私が調べたところ、南大阪営業所(大阪府)は、私のマンションの4軒と実家、計5軒アナログメーターに交換しました。岸和田営業所(大阪府)、阪神営業所(兵庫県)、奈良営業所(奈良県)もスマートメーターからアナログメーターに変更がOKでした。ちなみに、奈良営業所では、作業員が「アナログメーター、在庫あるよ」と言ってくれたそうです。
 ただ、アナログメーターへの交換を断固拒否する営業所もあって、神戸営業所(兵庫県)、伏見営業所、こちらは「他のところが替えてもらっているよ」「アナログメーターの在庫があるという情報がある」と言っても、「そんなん知らん」と言って替えてくれないそうです。

スマートメーターを設置させない工夫
 スマートメーターからアナログメーターに戻すのは本当に大変なので、現在設置されているアナログメーターから、検定の有効期限が10年間残っているアナログメーターに替えて、少しでも時間を稼ぐという方法もあります。
 アメリカではスマートメーターに反対するステッカー=図=を貼っているところもあるそうです(アメリカの電磁波対策ショップ LessEMF.com)。

アナログメーターの存続を望む署名
 電磁波過敏症が悪化し、スマートメーターの危険性を実感しました。電磁波過敏症は日本では認められていない疾患ですが、症状に苦しむ人が数多くいらっしゃいます。多くの方に知ってもらうためにも、アナログメーターの存続を望む署名活動を開始しました。よろしければご協力お願いします。
 昨年2月中旬に開始し、電磁波研会報にも同封していただきました。昨年3月上旬にchange.orgで署名を開始しインターネット上から署名をすることができます。今日署名を渡してくださった分も含めて、2500筆ほどの署名が集りました。たいへんありがたいことに自然食品宅配の「オルター」さんで署名用紙を7000部配布してくださることになりました。3月末に回収し集計をしてから、経済産業大臣に署名を提出する予定です。

 (編注)3月24日現在、オルタ-からの署名を含めて4774筆となりました。あと226筆で5000筆になります。ぜひ皆さん、ご協力ください。

カテゴリー: スマートメーター, 過敏症 

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