優先席付近携帯電話オフ緩和の撤回を求めます(2015.9各鉄道事業者に)

 JR東日本など関東甲信越・東北の鉄道事業者37社・局は9月17日、鉄道車内の優先席付近での携帯電話使用について、10月1日以降は「優先席付近では、混雑時には電源をお切りください」に緩和すると発表しました。従来は「優先席付近では電源オフ」を呼び掛けていました。電磁波問題市民研究会は、これを撤回する要望書を以下の15名宛てに9月18日に提出しました。

<提出先>
(1)関東鉄道協会  会長 永田 正 殿
(2)東北鉄道協会 会長 澤田 長二郎 殿
(3)東日本旅客鉄道株式会社 代表取締役社長 冨田 哲郎 殿
(4)東京都交通局 局長 塩見 清仁 殿
(5)横浜市交通局 横浜市交通事業管理者 加賀 生雄 殿
(6)東武鉄道株式会社 取締役社長 根津 嘉澄 殿
(7)西武鉄道株式会社 代表取締役社長 若林 久 殿
(8)京成電鉄株式会社 代表取締役社長 三枝 紀生 殿
(9)京王電鉄株式会社 代表取締役会長兼社長 永田 正 殿
(10)小田急電鉄株式会社 取締役社長 山木 利満 殿
(11)東京急行電鉄株式会社 取締役社長 野本 弘文 殿
(12)京浜急行電鉄株式会社 取締役社長 原田 一之 殿
(13)東京地下鉄株式会社 代表取締役社長 奥 義光 殿
(14)えちごトキめき鉄道株式会社 代表取締役社長 嶋津 忠裕 殿
(15)しなの鉄道株式会社 代表取締役社長 藤井 武晴 殿

注:
(  ) は(1) (2) に対して
[ ] は(3). (6) ~ (15) に対して
‘ ‘ は(4) (5) に対して
< > は (1) (3) (4) (5) に対して


2015年9月18日

○○
○○ ○○ ○○ 殿

電磁波問題市民研究会
代表 野村 修身

優先席付近携帯電話オフ緩和の撤回を求めます

 (貴会)[貴社]’貴局’、ますますご清栄の段、お慶び申し上げます。
 報道によりますと、(貴会加盟の鉄道会社)[貴社]’貴局’を含む関東甲信越・東北の鉄道事業者37社は、従来の「優先席付近では電源オフ」を緩和し、本年10月1日から「優先席付近では、混雑時には電源オフ」にするとのことです。緩和する根拠として、「総務省の指針改正」等が挙げられています。
 「総務省の指針改正」とは、具体的には「各種電波利用機器の電波が植込み型医療機器等へ及ぼす影響を防止するための指針」が今年8月に改訂されたことを指しているものと思われます。この改定では「携帯電話端末を植込み型医療機器の装着部位から15cm程度以上離すこと」「身動きが自由に取れない状況下等、15cm程度の離隔距離が確保できないおそれがある場合には、事前に携帯電話端末が電波を発射しない状態に切り替えるなどの対処をすることが望ましい」といった距離についての指針は、改定前と何ら変わりありません。改訂前との主な変更部分は、指針の序文の部分に「影響の調査は、電波利用機器の電波を規格上の最大出力で断続的に発射(略)するなど、極めて厳しい条件において実施しています。(略)そのため、一般生活において調査条件と同様の状況となる可能性は非常に低く、調査において影響が確認された距離まで電波利用機器が近接したとしても、実際に影響が発生するとは限りません」といった文言が挿入されたことです。
 「実際に影響が発生するとは限りません」とは、裏を返せば「実際に影響が発生することを否定できません」ということになります。このような文言の挿入自体は、電波の安全性評価において無意味であり、社会のルールを変更する根拠にはなり得ません。
 そもそも、総務省による実験は、携帯電話1台対植込み型医療機器(ペースメーカー等)1台についての実験です。現実の生活環境においては、複数台の携帯電話の電波による影響があるので、実験で確認された影響よりも、さらに大きな影響が出る恐れがあります。さらに、携帯電話の電波による乗客への悪影響は、ペースメーカー等の誤作動だけではありません。国際がん研究機関は、携帯電話の電波を含む高周波電磁波の発がん性を2B(発がん性がある可能性あり)に分類しています。また、携帯電話の電波など、生活環境中のさまざま電磁波の被曝によって苦しむ電磁波過敏症の方々もいらっしゃいます。
 また「混雑時」とは定義として極めて抽象的であり、電波をオフにしてほしい乗客と携帯電話を使いたい乗客との間のトラブルが増加する恐れがあります。
 よって、今回の緩和の撤回を求め<るとともに、当会との交渉の場の設定を要求し>ます。
 以上について、9月28日まで書面によって回答してください。

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