スマートメーター交換後の電気料急騰20件 東京新聞が報道

『東京新聞』3月22日付

 電力量計をアナログメーターからスマートメーターへ交換後、電気料金が急騰したという事例が、国内外で発生しています。東京新聞が国民生活センターに対して情報公開を請求したところ、スマートメーターへの交換後に料金が急騰した事例が全国で20件発生しているとみられることが分かりました。同紙が3月22日付で報じました。記事はこの20件について、氷山の一角だろうと報じています。
 スマートメーター交換後の料金急騰問題が国内で最初に発覚したのは、千葉県の男性の事例でした。2018年12月にスマートメーターに交換された後、2019年1~5月の電気料が、2017~2018年の同月平均の約2倍に跳ね上がりました。男性が、この事実を当会会報(第119号)に投稿、それを見た東京新聞の記者が、同紙で取りあげました(2019年9月2日付。会報第120号)。
 すると、東京新聞の読者から、「うちは電気料が8倍になった」との情報が同紙へ寄せられ、同年10月27日付の同紙に記事が掲載されました(会報第121号)。
電力会社の回答に「納得がいかない」
 今回、東京新聞は、国民生活センターに対して「バイオネット」の内容について、「電気」という項目の「計量・量目」に絞って情報公開を請求しました。バイオネットは、全国の消費生活センターに寄せられた相談内容が記録されたデータベースです。
 記事によると、開示された内容からスマートメーターへの交換後に料金が急騰したと明確に分かる事例は8件。一例を挙げると「先月、電力会社がスマートメーターに交換したら料金が倍になった。メーターの検針値に間違いないと言われ納得がいかない」(2019年11月)という具合です。
 加えて、スマートメーターとの明記がないものの「小売り電気事業者と契約をしたら、電気料金が2倍以上になった」(2017年3月)、「メーターを交換されてから検針にも来なくなって電気料金が高くなった」(2016年4月)など、文面からスマートメーターへの交換後である可能性が大きい事例が12件あり、計20件となりました。
 開示されたバイオネットの情報は、相談内容を60字以内にまとめた「要約」。詳細な内容は「個人情報がふんだんに含まれるので不開示」とのことで、もし開示されれば、より多くの件数が確認できたかもしれません。
 同紙が全国の送配電10社に問い合わせたところ、各社とも同じ回答で、この種の問い合わせはあるが「件数は把握していない」「アナログメーターの時代から、一定数あった」とのことでした。原因については主に「気温変化による冷暖房機の長時間使用」「電気機器の故障」などの可能性が考えられるとのことで、つまり、スマートメーターは正確で、料金が急騰したのは住人の側に原因があるという主張です。

料金8倍、いまだ原因不明
 しかし、前述のように、電気料が8倍になったケースさえあります。同紙の記者がこの件についてあらためて取材をし、8倍になった原因について東電はいまだに原因を住人へ説明していないことが分かりました。料金が2倍程度になっても住人のせいにする東電ですか、この8倍の件についてはさすがに責任を認め、女性に全額を返金し、新しいスマートメーターに交換したそうです。交換後は問題は起きていないとのことです。
 電力会社は料金高騰を消費者のせいにしますが、海外でも同様の件が発生しています。オランダの研究者は、スマートメーターを含む電子式メーターで不正確なものが少なくともオランダの75万の家庭に設置されていると推定する論文を、2017年3月に発表しました(会報第105号)。論文は、家電などから出る電気的なノイズへの対応が不十分なために誤測定が起きると指摘しており、スマートメーターならではの問題である可能性が大きいと言えます。電力会社はこの問題に正面から取り組むとともに、情報を積極的に開示すべきですが、この国の電力会社に真摯な対応を期待することは、どだい無理な話なのでしょうか。【網代太郎】

 

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