スマートメーター誤検針で東京新聞が続報 電気料金が8倍に!!

 アナログメーターをスマートメーターに交換したところ、電気料金が前年同月などと比べて約2倍になったとの情報が当会へ寄せられ(会報第119号参照)、この情報を東京新聞へ提供したところ、同紙で掲載されました(会報前号既報)。すると、東京新聞の読者から「うちは8倍になった」との情報が同紙へ寄せられ、10月27日付で掲載されました。火災問題から始めて、拒否できるかなど、スマートメーター問題を追及してきた同紙は、この日の記事に「スマートメーター もはや恐怖」という見出しをつけるに至りました。
 記事によると、東京23区内のマンションに住む50代女性は、8月1日にスマートメーターに切り替わりました。「火災が起きているのを知っていて本当は嫌だったけど、マンションの改修工事を機に一斉に交換されてしまって」と女性は話しています。「スマートメーターが嫌な需要家(電力消費者)には納得していただけるよう丁寧に説明する」という東電の説明が口だけであることが、このケースでも分かります。
 女性はこれまで電気料金のことを気にしたことがありませんでしたが、同紙の記事を読んで不安がよぎり確認したところ、7月分の料金約6500円に対し、8月分は8倍近い約5万円であることが判明して「高すぎて、心臓がばくばくした」。暑い時期でクーラーを使う時間が増えるとは言え、一人暮らしの上に日中は仕事で家を空けるので、それほど多く使うわけはありません。東京電力エナジーパートナー(東電EP。東電を分割して出来た電力小売事業者)へ事情を訴えると、男性社員は「完全におかしい数字。今のところ何らかの故障があったのかな、としか返事ができない。メーターを調べさせてもらいたい」と返答。別のメーカーのスマートメーターに交換し、その後は異常は発生していないが、東電EPから原因が分かったという連絡はないとのことです。
 メーターそのものは、送配電事業者である東京電力パワーグリッド(東電PG)の管轄です。同紙が東電PGに質問したところ、一般論として「落雷や外部からの力が加わったことによる破損など」でメーターが故障し、電気料金が多くなったり少なくなったりした事例はあるとのこと。さらに「など」の中身を尋ねると「原因不明のものもあろうかと思う」と認めたが、故障による誤請求の件数は集約していないということでした。そのような重要な事象について本当に集約していないのならば驚くべきことですが、東電の体質を考えると、隠しているだけかもしれません。
 シンプルで頑丈な構造のアナログメーターとは違い、スマートメーターはそれ自体が精密な電気機器です。家電などから発生するノイズが電磁干渉を起こしてスマートメーターなどの電子式メーターを誤作動させる可能性が指摘されています。不幸にしてスマートメーターに交換されてしまった皆さんは、毎月の請求額に十分注意されることを、おすすめします。【網代太郎】

10月27日付『東京新聞』

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