イタリア、電波基準値を緩和しないことに 10μW/cm2を維持

 イタリア政府は、高周波電磁波(電波)の基準値を緩和する提案を拒否することを決めたと、8月にネットで報じられました[1][2]。イタリアの基準値は6V/m(10μW/cm2)で、世界でもっとも厳しい国の一つですが、5G(第5世代移動通信システム)を推進するため、産業界はこの緩和を求めていました。
 イタリアの厳しい制限を弱めようとする試みは、長年にわたって繰り返されてきました。しかし、そのたびに、市民が大規模な反対運動を起こして、その動きを阻止してきました。電磁波研会報第136号にも「イタリアで電波基準値緩和の動き 市民が抗議の座り込み」という記事を掲載しています。
 今回の報道によると、欧州連合(EU)のうち、12カ国がEUが推奨する61V/m(1000μW/cm2)の規制値を設定し、5カ国がそれより緩い制限値を設定、イタリアを含む8カ国がそれよりより厳しい制限値を設定しているとのことです。【網代太郎】

[1]Il Sole 24 Ore「Emissioni elettromagnetiche, salta l’innalzamento dei limiti per il 5G」8月8日
[2]ENVIRONMENTAL HEALTH TRUST「ITALY REFUSES TO LOOSEN WIRELESS RADIATION LIMITS FOR 5G 」8月10日

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