京都・Xバンドレーダー設置の街で強い電磁波を計測

 Xバンドレーダーが配備されている米軍経ケ岬通信所周辺の京都府京丹後市丹後町宇川地区で、強い電磁波が計測されたことを、大野光明さん(同志社大学グローバル・スタディーズ研究科研究員、立命館大学生存学研究センター客員研究員)が確認しました。同通信所へ電気を供給するための33000Vの高圧送電線の影響とみられます。ここでは、京都新聞ウェブサイト(2月27日付)の記事をご紹介します。米軍基地建設を憂う宇川有志の会と大野さんによるニューズリリース(2月24日付)もご覧ください。

高圧電線影響か、電磁波が高数値に 京都・米軍施設の電源

 Xバンドレーダーが配備されている米軍経ケ岬通信所(京都府京丹後市丹後町)に向けて市内で設置が進んでいる高圧電線工事に伴い、同志社大の研究者と地元住民が26日までに基地の周辺で電磁波計測調査を実施した。高圧電線を設置したとみられる場所で、従来の低圧電線のみが設置されている場所よりも高い数値が検出され、市民団体は「今後も継続した調査が必要だ」としている。

 基地問題に取り組む同志社大の大野光明研究員(37)が今月5日に計測器で調査した。同市内で従来の電線は6600ボルトだが、米軍通信所の電源として3万3千ボルトの高圧電線が敷設されている。高圧電線のルートは非公表だが、設置工事の経過を確認してきた地元市民団体の協力で市内56カ所の電線近くで電磁波を計測した。

 従来の6600ボルトの電線部分の電磁波測定値はほとんどが0・0~0・9ミリガウス程度だった。だが、新たに3万3千ボルトの電線が加わったとみられる部分ではいずれも高い値が計測され、2・0ミリガウス以上の場所は10カ所に上った。2階の窓からすぐ近くに高圧電線が見える民家では3・1ミリガウスもあった。特に三宅橋西詰付近では120ミリガウスと異常に高い数値が出ている。

 電磁波を研究するNGO「電磁波問題市民研究会」(千葉県船橋市)によると「都市部でない郊外エリアにしては2~3ミリガウスの数値は比較的高いといえる。高圧電線との関連性はまだ分からないが、継続してチェックしていくことが必要だ」という。

 大野さんは「常に高圧電線近くで生活する住民は不安がっている。健康被害への科学的な調査や送電の中止、住宅地を外した電線敷設などの対策が必要になる。今後も継続的に調査をしたい」としている。

 2013年に京丹後市にXバンドレーダーの設置が決まると、地元住民から電磁波の影響を不安視する声が相次いだ。国土交通省は日本海側でレーダーの影響で計器に支障が出る恐れがあるとして飛行制限区域を設定。近畿中部防衛局が周辺区域で運用前後に計7回、電磁波の影響を調査し、住宅地では「レーダー照射方向が後方に位置することから健康や生活に影響する変化はない」としている。

【 2017年02月27日 08時20分 】

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