基地局問題院内集会(2023年8月)
4G、5G 携帯基地局は安全か
2023年院内集会「国民の健康と人権のために、わたしたちは、立ち上がります。」
携帯基地局のあり方や、長期的な高周波電磁波の暴露による健康問題は、もう20年以上も前から、市民団体や日本弁護士連合会等が、様々な形で誠実な取り組みを行なってほしいと要望し続けてきた問題です。長期暴露については、因果関係を立証するのが難しいとされつつも、多くの人達がすでに健康被害を経験していますし、本集会でもその実態が生々しく報告されました。良質な研究成果や疫学調査が急がれると同時に、欧州を中心とした国や自治体等では、予防原則にもとづいた取り組みが行われています。環境問題は先進国に比べて日本は十数年遅れているといわれますが、日本はこうした状況から今こそ脱却すべきです。
例えば、長期的に高周波の影響を受けて、壮絶な体調不良の状況下にあっても、それを高周波による影響であると結びつけるには、かなりの時間がかかります。それもそのはずです。私たちは、総務省が提示している防護指針値等、普通に日常生活を送る上で、そうした情報は殆ど伝わってきません。日頃使っている身近な高周波や、携帯基地局周辺の環境について、まさかそんなにひどい影響が出るような状況であるとは夢にも思っていないのですから。普段の生活の中で携帯基地局を意識した事すらない人たちは、総務省が日頃されているお仕事に疑問を持つことはありなせん。ただただ、行政を信じていたのです。正確にいうと、信じる、信じない、ということすら、考えることすらないのです。ところが、自分の身を守るために、さまざまな勉強を重ね、また、本集会でも、その気持ちは大きく裏切られ続けていたこと知りました。それはとても悲しいことです。私たちの税金が、国民の健康を守るために、正しく使われていなかったことについても、愕然としています。この税金が、「携帯基地局や身近な電磁波からの影響により、健康を害している人がいる」との報告があった時点から適切に使われていれば、今、私たちはここにはいないはずです。携帯基地局については、これまでにもさまざまな体調不良や健康上の異変を経験する人達がいましたが、5Gでは、100m間隔で設置をしなければならない場合もある分、健康被害を受ける人達を、数十倍、いや数百倍にも増やしてしまう可能性があります。
この問題でおそろしいことは、病院でその状況をそのまま伝えても、適切な診察をしてもらえない事がほとんどである、という点です。体調が優れず苦しい中、理解を得るために必死の思いで勉強をして努力している方々も沢山いますが、これは、本来素人がするような内容ではないのではないでしょうか。そして、症状が時間差で現れる事が多い点や、情報が少ないことから、すでに多くの人達が、自分の身に何が起こっているのか、そしてその原因すらわからずに、体調不良を経験している人達が多数いらっしゃるのではないかと感じています。もうこれ以上、総務省が、何事もないかのように振る舞うことが出来ないほど、その被害は広がっているのではないでしょうか。
皆さん(省庁の担当の方々)は、経済ばかりを重視して、国民の健康がないがしろになっていることについて、どのように感じられているでしょうか。そもそも5Gについては、どうしても日常生活のなかで必要なものなのでしょうか。私たちは、便利な世の中になる事を否定するつもりはありません。けれども、国民の健康の犠牲の上に成り立つ社会とは、本当の意味での国民の幸せと言えるのでしょうか。どうか、お願いです。まず真っ先に、国民の健康を守ることを考えてください。すでに体調を崩している人たちを見捨てないでください。子ども達の未来のために、健康で生きる権利を尊重し、リスクを少しでも減らせるよう、私たちの税金を有効的に活用して頂きますよう、参加者一同切望します。
2023年8月24日
基地局問題院内集会参加者一同