フランスの裁判所 スマートメーター撤去命じる

訳・武藤由紀子さん

 雑誌『ル・ポワン』のウェブサイトによると、フランスの裁判所が、電磁波過敏症の女性の住居に設置された水道のスマートメーターが女性の症状を悪化させたとして、このメーターを撤去するよう命じる判決を下しました。この記事を武藤さんに訳していただきました。出典はCompteur d’eau “intelligent: “une électrosensible obtient son retrait



電磁波過敏症患者が水道用スマートメーターの撤去を勝ち取る
 2016年11月中旬、フランス南東部の都市グルノーブルの地方裁判所で、イゼール県在住の電磁波過敏症の女性の住居から無線を使った水道メーターを撤去するよう命じた判決がおりた。発表したのはこの女性の弁護士ジャン=ピエール・ジョセフ氏と、ネクストアップという団体である。
 この判決の中では、集合住宅内の女性の住居とボイラー室に設置された新型の水道メーターを撤去し、従来の検針による水道メーターに取り替えることが求められた。ジョセフ氏によるとこのような判決は前例がないという。
 この所謂「水道用スマートメーター」は、直接または間接的に各水道使用者の使用量を計れるもので、検針の為の人手を省くことが出来る。
 女性は電磁波過敏症と診断されており、自身の住居にこのスマートメーターが設置された2012年から症状が悪化した、とジョセフ氏は語っている。
 「女性は地下室に籠って身を守るようになっていたのですが、同様のメーターが建物のボイラー室にも設置されてしまった為、家から離れて車の中で眠らなければならなくなっています。」
 今回の判決においては、問題となった水道メーターと同じ原理の電気用メーター「リンキー」とガス用メーター「ガスパール」を、原告の住まいに設置することも禁止する、と明記されている。
 また、CPLテクノロジー(英語ではPCL=Power Line Communication)と呼ばれる電力線搬送通信を使ったメーター類も、電場や電磁場を発生させるという理由で禁じている。
 「電磁波を発生させる水道メーターの撤去は、女性の健康問題の部分的解決にしかならないことを強調しておくべきである。」と裁判官は述べた。「高周波汚染の大部分は、建物内の様々なWi-Fi電波によるものでもある。」
 ジョセフ氏の話では、特にWi-Fi電波から身を守る為、女性は自身の住居の隔離工事を求めており、イゼール県において障がい者の権利と自立を支援する機関がその工事の一部については引き受けている。
 環境団体ネクストアップのコーディネーター、セルジュ・サージャンティーニ氏は、この判決を「公衆衛生にとって大きな前進」と歓迎した。
 サージャンティーニ氏はこのように付け加える。
「裁判所が考慮したのはリスクではなく健康被害そのものであり、また「リンキー」も含め、無線の発信機を備えた全てのメーターについて、この判断が及ぶことをはっきりと述べている。」

フランスの電気のスマートメーター「リンキー」(左)とガスのスマートメーター「ガスパール」(右)

 2015年には、トゥールーズ(フランス南西部の都市)の裁判所で、この地方に住むある女性に電磁波過敏症による重度の障がいを認めた判決が出ており、その結果この女性は障がい者用手当受給の権利を得た。
2016年12月9日 AFP通信


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