イージス・アショア 防衛省の失態相次ぐ

 政府が秋田市と山口県萩市への配備を計画している陸上配備型迎撃ミサイルシステム「イージス・アショア(陸上イージス)」について、防衛省による失態が次々と明らかになりました。
 青森、秋田、山形3県の候補地20カ所のうち、9カ所は周囲に高い山があってレーダーが運用できず不適であることを理由の一つとして、秋田市の陸上自衛隊新屋演習場が適地だと判断したという調査結果を防衛省は5月27日、秋田県に報告しました。ところが6月4日、地元紙・秋田魁新報が調査結果の誤りをスクープしました。防衛省が参照した「グーグルアース」の地図データは高低差を見やすくするため高さ方向が水平方向よりも強調されていました。そのことに気づかず、定規で測ったまま計算したため、山の高さが過大になったと防衛省は説明しました。岩屋毅防衛大臣は同月6日の衆議院安全保障委員会で調査ミスを謝罪しましたが、新屋演習場が適地との認識は変えませんでした。
 防衛省は同月8日に秋田市で住民説明会を開きましたが、その際、同省職員が居眠りしていたことが住民の怒りに油をそそぎ、岩屋大臣が陳謝。
 また、岩屋大臣は同月14日、調査報告内容を一転させ、新屋演習場にイージスアショアを設置する場合に津波対策の必要があることを認めました。報告書に掲載された検討結果の一覧表には、津波の影響について4カ所が津波の影響が「有り」、4カ所が「大きい」とされました。新屋演習場は空欄で、影響はないとされ、20カ所の中で新屋演習場を唯一の適地とする根拠の一つになりました。岩屋大臣は、敷地造成をしてかさ上げすれば「津波の影響を受けずに配置することが可能だ」「新屋演習場が適地であるとの考え方に変わりがあるわけではない」と強調しました。
 岩屋大臣はさらに同月25日の記者会見で、新屋演習場を適地とした調査報告書に、新たに二つの数値の誤記が見つかったと明らかにしました。演習場南側付近の電磁波の強さを示した地図上の0.0083mW/c㎡という数値を、同じページの表では0.0038mW/c㎡と誤記。演習場北側地点の0.0483mW/c㎡が、一部で0.0438mW/c㎡と、やはり小さめに誤記されていました。
 これほど続くと、本当に単純ミスなのか、実は秋田ありきの意図が働いていたのではと疑いたくなります。そもそも、イージス・アショアは不要なので計画は撤回されるべきです。【網代太郎】

 

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