臨床環境医学会報告

 日本臨床環境医学会の第28回学術集会が6月22、23両日、都内で開かれました。電磁波または過敏症に関する発表で、印象的だったものをご紹介します。
 第1日の冒頭、電磁波による健康影響についての御用学者のボスである大久保千代次・電磁界情報センター所長が「教育講演」の講師として登場。電磁波過敏症はノセボ効果(危険性はないが危険だと思うことで影響が出ること)によるものであり電磁波曝露のせいではないなど持論を展開しました。これに、東北大学大学院理学研究科准教授の本堂毅さんが次々と質問や反論をしましたが、時間が足りませんでした。なぜこの学会が大久保氏を招いたのか、学会内外にさまざまな憶測を招いたようです。
 第2日の最後に「環境過敏症分科会シンポジウム」が開かれました。6人のパネリストが報告しました。脳脊髄液減少症診療第一人者である国際医療福祉大学熱海病院の篠永正道さんが、同症発症者のかなり多くが化学物質や電磁波に過敏になることを紹介し、そのメカニズムについて仮説を疲労されました。その内容は、ほぼ、会報第108号に掲載した通りでしたが、この学会で篠永さんが会員の方々に直接報告したことは、大きな意義があると思います。
 体調が優れないとのことでシンポジウムに参加できなかった国立病院機構盛岡医療センターの水城まなみさんの報告が代読されました。既存の医療機関が化学物質過敏症を診療できるようにするためのマニュアルの作成を水城さんは提唱し、その目次案が示されました。マニュアルはぜひ実現せてほしいと思います。【網代太郎】

 

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