千葉市による小学校への基地局設置政策に市民が反対へ

 千葉市のAさんから「千葉市が楽天モバイルと提携し千葉市内の小学校5校に楽天の4G基地局を設置し、代償として通信速度毎秒10Gbps(ギガピット/秒)の光通信回線を利用した高速ネットワークを無償で提供するというバーター契約を結んだ」と連絡があり、反対したいので協力してくださいと要請されました。
 すでに千葉市市議会議員や一般住民からも当会に情報提供はありましたが、当該の学校に通う子供の親から異体的な相談があったのは初めてです。

左から、熊谷俊人・千葉市長、山田善久・楽天モバイル社長(同社のウェブサイトから)

3月27日に干葉市は記者発表
 千葉市は2020年3月27日に、記者発表で「楽天と『GIGAスクール構想』支援に関する基本協定を提携します」と広報しています(協定締結は同30日)。それによると、文科省が推進しているGIGAスクール構想(一人一台の端末と高速大容量のネットワークを学校に配備し教育のICT化を推進する構想)に対応し、校内のネットワーク環境の構築を支援するために楽天モバイルの基地局設置に便宜を図る、というのです。協定期間は5年間、2025年3月までで千葉市内の都賀小、幕張西中、柏井小、都小、土気南中の5校で7月中旬から順次設置工事に入り、9月以降利用可能にする計画です。

コロナ騒ぎの最中で、保護者・地域には事後報告
 「将来的には5Gを生かした先進的な教育環境を実現」を目指し、これが成功した暁には全国の国公私立の小・中・高にも広げたいと楽天モバイル社は狙っています。この千葉市と楽天の協定はコロナ騒ぎの最中で、保護者や地域の人たちには事後報告でした。「学校への質問はしないよう」にとの指導もあったといいます。まさにどさくさを利用したといわれてもしょうがない進め方です。

問題点はどこにあるか
 この協定の問題点は、第一に、基地局からの電磁波による子供たちへの健康影響への配慮がないことです。「総務省の基準値以下だから安全」というのが市と楽天の言い分でしょうが、世界的に見ても総務省の基準値すなわちICNIRP(国際非電離放射線防護委員会)のガイドライン値以下で健康影響が起こっている研究報告は少なくありません。子供たちは大人以上にセンシティブで、より電磁波の健康影響を受けやすいのです。子供の体の諸器官が未発達で頭蓋骨も大人より薄いことが指摘されています。米国のシアトル市長は「学校の近くに基地局を設置すべきでない」と主張しています。それなのに近いどころか敷地内設置なのですからあまりに非常識です。
 第二に、楽天という一私企業の基地局を公立学校の敷地に提供していいのかという問題です。
「バーターがあるから」は理由になりません。一度これを認めたら、他の携帯会社が同様の提案をしてきても、拒否できなくなります。全国の公立学校が、基地局建設の草刈り場になってしまいます。
 第三に、学校周辺の住民への事前の十分な説明がないことです。基地局からは電磁波が出ます。学校の子供たちや教職員への影響だけでなく、周辺の住民とくに赤ちゃんや幼児や病弱な人やお年寄り等への健康影響が心配です。「学校は市の所有物」というのは倣慢な考えです。

横浜市や東京都立学校で基地局設置が中止になったことに学ぶべき
 約20年ほど前に、横浜市が市内の小中学校全校にPHS基地局を設置する計画があり、60校以上建設した時点で当研究会と神奈川市民ネットワーク議員と横浜市学校事務組合等の反対で撤回させたことがあります。約10年前の2009年には、都立豊多摩高校屋上にドコモも基地局建設計画があり、教職員有志、住民、区議会議員等が反対し白紙撤回させました(『電磁波の何が問題か 増補改訂版』(緑風出版)に掲載)。
 Aさんたちはこれから反対の取り組みを行います。当研究会も協力します。【大久保貞利】

千葉市と楽天の協定書

 

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