ワシントン大学名誉教授であり、雑誌『Electromagnetic Biology and Medicine』の名誉編集者でもあるHenry Lai(ヘンリー・ライ)博士は、1990年から2020年7月までの30年間に発表された、電磁波曝露による生物学的影響および健康影響に関する研究論文をまとめました。電磁波問題について情報発信しているウェブサイト「Electromagnetic Radiation Safety」の集計によると、高周波電磁波についての論文944件の75%(711件)が有意な影響を報告。また、超低周波電磁波および静電磁場研究705件の87%(611件)が有意な影響を示していました。
DNA損傷の証拠は、細胞培養(in vitro)の研究よりも,動物およびヒト(in vivo)の研究の方が、より一貫して見出されているとのことです。
高周波
261件の酸化的損傷(またはフリーラジカル)研究のうち91%(240件)が有意な影響を報告しました。
348件の遺伝的影響に関する研究の65%(226件)が、次を含む有意な影響を報告。110件のDNAコメットアッセイ研究の65%(72件)が有意な効果を報告しました。コメットアッセイは、DNA損傷(遺伝毒性)を精密に分析するための、迅速かつ高感度な手法です。
335件の神経学的研究の73%(245件)が有意な効果を報告しました。
極低周波および静電磁場
263件の酸化的損傷(またはフリーラジカル)研究のうち89%(235件)が有意な影響を報告しました。
204件の遺伝的影響研究の78%(160件)が、次を含む有意な影響を報告。63件のDNAコメットアッセイ研究の73%(46件)が有意な影響を報告しました。
238件の神経学的研究の91%(216件)が有意な効果を報告しました。
それぞれの研究論文については、「バイオイニシアティブ」のウェブサイトhttps://bioinitiative.org/research-summaries/で、影響の有無や研究の種類(ヒトの研究か、動物、細胞実験かなど)を示す記号とともに公表されています。【網代太郎】