フランス政府、ケータイ等からの電磁波被曝低減を推奨

 フランス食品環境労働衛生安全庁(ANSES)は、「「高周波電磁波と健康」専門家評価の更新版(Update of the “Radiofrequencies and health” expert appraisal)」を10月15日に公表しました。高周波電磁波の影響を特に受けやすい人々のために、被曝を減らすよう勧告しています。そのうち「プレス・リリース」の部分をご紹介します。 【訳・網代太郎】

 プレス・リリース

無線技術の急速な開発に直面して、ANSESは高周波電磁波被曝を制限するための勧告(特に最も影響を受けやすい人々のための)を出します

 ANSESは本日、国際的な科学文献のレビューに基づいて、高周波電磁波被曝リスクの評価結果を出版します。これにより、2009年に出版されたレポートは更新されます。この更新版は、証明された健康影響は一切示しませんし、公衆のための新たな最大被曝限度も打ち出しません。しかし、証拠のレベルは限定的ですが、ヒトまたは動物で異なる生物学的影響が示されました。また、携帯電話のヘビーユーザーによる長期使用によって脳腫瘍リスクが増加する可能性を示した研究もありました。これらの情報と、技術と利用の急速な進展という背景に鑑み、ANSESは人々の高周波電磁波被曝の制限(特に携帯電話から。とりわけ子どもと頻繁に使う人々のために)を推奨します。そして、中継基地局からの全体的な被曝をコントロールすることも推奨します。電磁波過敏症の人々についても、さらに作業を進めます(特により慎重な注意が必要な問題であり、利用可能なフランスと国際的なデータを調べていきます)。

 フランスではこの数年、高周波電磁波問題が健康、環境、及び社会問題として、大きな関心を集めています。新たな無線通信技術開発により、電波利用と通信端末の種類は絶え間なく変化しました。また、利用者数や利用タイプの増加により、高周波電磁波被曝の急速な変化と潜在的増加がもたらされました。

 このためANSESは2011年、健康と安全に関する多くの問題に答えようと、具体的な計画を立てました。高周波電磁波と健康に関する常設の専門家グループの創設と、主なステークホルダー(利害関係者)が関わる対話委員会の設立です。この体制によって2009年に出したレポートを更新するようANSESは要請しました。
 2年間にわたる作業を経て、本日、ANSESは高周波電磁波曝露に関連したリスク評価結果を出版します。2009年以降発表された国際的な研究を可能な限りレビューしました。電磁波過敏症の問題は、今年の末から担当専門家による検討が始まる予定です。
 発がん性の有無についてすべての高周波電磁波による潜在的健康影響が調査され、世界保健機関(WHO)の機関である国際がん研究機関(IARC)が示している評価方法に基づいて証拠のレベルを分類しました。
 リスク評価の結果、証明された健康影響はまったく見つかりませんでした。しかし、携帯電話のヘビーユーザーによる長期使用によって脳腫瘍リスクが増加する可能性を言及する研究もありました。携帯電話のヘビーユーザーへの専門家による評価結果は、したがって、IARCが提案した「発がん性があるかもしれない」という分類と一致しています。専門家による評価ではまた、証拠のレベルは限定的ながら、ヒトや動物に異なる生物学的影響(睡眠、男性の生殖能力、または認識能力)への影響を示唆しました。それらの一部は2009年に既に報告されていました。
(略)
 得られた証拠によっては、一般公衆の健康影響のための新しい被曝基準を提案する理由はなさそうです。しかし、ヒトや動物に関する利用可能なデータの不足によって様々な潜在的影響のリスク評価がまだ実施できていないこと、2G・3G・4Gの携帯電話電磁波による潜在的影響が十分には明らかになっていないようであることにも、ANSESは注目しています。
 ANSESはまた、室内と屋外の環境で高周波電磁波使用がとても増大し、人々の被曝が増加していることを強調します。
 さらに、国レベルで実施された最近の調査によると、全体的には現在の基準値より低い被曝にとどまっているものの、被曝がかなり高くて技術的な手段で減らすことができる地域も存在しています。
(略)
 したがって、高周波電磁波への被曝を、特にもっとも影響を受けやすい人々について減らすために、ANSESとして以下を勧告します。

  •  携帯電話を(通話で)よく使う成人はハンズフリー・キットの利用。さらに一般的には、すべてのユーザーはSAR値の最も低い携帯電話の購入が望ましい
  •  携帯電話の軽度の使用を促すことで、子どもたちの被曝を減らすこと
  •  測定キャンペーンの利用により、室内及び屋外環境での人々の被曝の特徴を明らかにし続けること
  •  新たな携帯電話ネットワークインフラの開発は、被曝の特徴に関する先行研究を踏まえること。環境曝露を減らすために中継基地局数増加によって起こりうる結果について掘り下げた研究を行うこと
  •  公衆へもっと高い被曝をもたらしている既存施設に関して状況を明らかにすること。どのような技術的手段によってそれらの被曝を減らせるのか調査すること
  •  体の近くでの使用を目的とする電磁波を発生する一般の機器(デジタルコードレスフォン、タブレットコンピュータ、赤ちゃん監視装置など)に曝露の最大値(たとえばSAR値)を表示すること。携帯電話では既に実施済みである

(略)

原文:Update of the “Radiofrequencies and health” expert appraisal 2013年10月15日


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