延岡携帯電話基地局撤去裁判の控訴に当たって

平成24年10月29日 延岡携帯基地局撤去訴訟弁護団

 平成24年10月17日、宮崎地方裁判所延岡支部において、被告KDDIを相手にした携帯電話基地局撤去を求める裁判について、原告らの請求を棄却する判決が出された。
 この地裁判決は不当であるので、本日、控訴した。
 我々は、平成21年12月16日に提訴してから、原告及びその周辺住民の電磁波による健康被害を中心に被害立証を行ってきた。原告意見陳述、連日にわたる原告本人尋問、現場での進行協議期日、荻野証人尋問、宮田証人の書面による尋問、新城証人尋問などを行ってきた。原告らの健康被害が現れてきた経緯とその被害が深刻であること、多くの周辺住民にも健康被害が生じていること、国際的な調査で示された電磁波症候群と同様な症状であること、他の地域でも同様な健康被害が生じていること、健康被害が他覚的検査で裏付けられていることなどの間接事実を積み重ねてきた。
 そして、裁判所が、基地局設置後、原告らに次々と健康被害が発生してきたことは認めており、その点は評価するものである。
 しかしながら、裁判所の認定でも、欧州評議会議員会議(PACE)の勧告値の44倍もの高い数値が延岡で計測されていながら、また、環境医学の分野で先進的な研究をしている学者の知見も出されていながら、原告らの被害の具体的状況を目の当たりにしながら、裁判所は、思い込みや心理的なものとの立証がなされたわけでもなく、その可能性を指摘するだけで、電磁波と健康被害との因果関係を否定したことは、到底、納得できないものである。
 このような裁判所の姿勢は、事実から目を背け、被害を直視せず、司法の役割を放棄するものとして、断固、容認することはできない。
 日本では、公害事件、薬害事件などから多くの教訓を得てきたはずである。最近では原発訴訟の経緯で、司法の役割が果たされてきたのか裁判所の姿勢が問われている時代である。
 福岡高等裁判所宮崎支部において、今後も裁判は継続していくことになるが、裁判所には、事実を直視し、司法の役割を果たす審理をしていただき、一日も早く住民たちが元の平穏な生活に戻れるように、審理していただきたく切に希望する次第である。
以上

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