UQコミュニケーションズ(株)のモバイルWiMAX基地局を阻止

UQの電波基地局の設置を阻止する会(神奈川県相模原市)

団地内の住宅密集地に電波塔が建つ
 5/16「無線設備計画のお知らせ」なる簡単なプリントを、UQ社が相模原市郊外の住宅団地内建設予定地周辺(30m以内)の住宅数軒に配布。物件はモバイルWiMAX(ワイマックス)基地局(14.5m)、施主:UQ(ユーキュー)コミュニケーションズ㈱、施工:㈱KDDIテクニカルエンジニアリングサービス。(注)現場は不在地主の土地で、団地が住民の駐車場として借上げ、駐車料金の集金、草刈りなどの管理を行っている。
 5/21近隣対応完了として社内合意を取り付け
 6/3 UQと地主との間で契約締結。この時期、道路向かいのI氏が倒壊や環境保護等について抗議。

電波塔設置についての説明会の開催
 6/14説明会もなく、一方的に事が運ばれる状況を危惧したI氏が、自治会長と相談、UQ社に説明会の開催を要求。
 6/27近隣の住民30名で、基地局の電磁波問題について勉強会開催。電磁波及び基地局による被害の実態を知り、地域住民に緊張が走る。
 6/29UQ社と第1回目の話し合い。UQ及び施工のKDDI側5名出席。地域住民出席30名。UQ社のWiMAXについての説明の後、質疑応答。地域住民側より、 設置反対の声明書並びに地域80名の署名簿を手渡す。
 7/26I氏夫妻が地主K氏を訪問し、電波塔の危険なことを話す。K夫人の話では、UQの説明で「基地局の設置は地域住民にとって非常時にためになります」と言われ、「いつも世話になっている地域の人のためになるならば」と契約した。しかし、「今事情を地域の人から聞いて当惑している。地域の総意が反対であれば別に土地を貸す必要はない」との意向を得た。
 8/4 UQ社の建設1部長名文書で「工事は中止せず、9月12日~16日に行う」。

対UQ社臨戦態勢の強化
 8/7 理事会において、団地自治会として阻止行動を行うことの承認を得る。
 8/20UQ社野坂社長宛てに、工事を中止するよう内容証明文書を送付。
 8/21相模原市議会N副議長と会合。現況の説明と市への請願等の打ち合わせ。
 8/26UQ社と第2回目の会合。県や相模原市に陳情する策もあるが、この際事を荒立てずに、この団地側のことだけにして、穏便に収めたいと説得する。
 9/5 相模原市都市計画まちづくり支援課を訪問、市条例等について話し合い。
 9/17神奈川県議会Y議員来所。現地視察後現況説明と対策の打ち合わせ。
 9/27UQと第3回目の会合。冒頭、UQより工事は予定通り続行、との通告あり。これに対し、団地側より住民が危惧する事項について文書で回答せよと要求。
 9/28県議会Y議員がUQ社訪問。住宅地の真ん中に基地局を設置せねよう要望。

モバイルWiMAX基地局建設の終焉
 10/27YQ社建設1部長より「当該無線設備の設置を中止する」と文書で通知があり、降って湧いたように住宅団地を騒がせた当事件の終結をみた。

解説
 1 UQコミュニケーション㈱(KDDIが32%の株を所持)側は電波法、建築基準法等各腫法令ならびに各自治体の条例に基づく手続きを遵守しており、地主との賃貸契約も終えている。つまり「わが方になんらの手落ちもない」、と終始強気の論法だった。
 2 これに対し、当方は法律論争を避け、このように危険なものをなぜ住宅地の真ん中に建てるのか、公共事業というからには近隣の公の土地を使えばよいのではないか、との穏やかながら粘り強い説得に徹した。
  なお、そのような工事許可証があれば、地主との契約書を含めてこの席上に持参せよと要求した。しかしUQ側は言を左右にして一切の書類を出さなかった。
 3 最初の説明会では、UQ側は付近住民はせいぜい5~6名が参加する程度のつもりで安易な考えで来たと思われるが、地域住民は30名が出席し、勉強会で得た知識を基に、厳しい質問が出された上に、基地局設置反対の声明書並びに近隣住民80名の署名簿を渡され、「これは説明会ではなく、反対闘争ではないか」と戸惑っていた。
 4 勉強会の資料は、概ね電磁波問題市民研究会がネット上に載せていた文章を20数ページにまとめてファイルに収め、各自に配布したものである。
 5 UQ社にすっかり騙されていた地主は、当初は電話も受け付けないように言われていた様子であったが、当事者のI氏夫妻の熱心な説得が功を奏し、最終的には「地主が(自らの意志で)契約を撤回されたので、工事は中止する」とUQ社の文書に書かれている。
 6 当初は近隣地域だけで解決しようとしたが、相手が折れないので、自治会の理事会に掛けて自治会としての支援を得、市議会、県議会への働きかけ、基地局設置を阻止する条例の実現化を図るべく段取りを進めた。
 7 工事に先立って、まず先に地主を取り込むのは事業者の常套手段であるが、問題の土地は不在地主の所有で、草刈りなど土地の管理の他に駐車場としての使用料などを得て、地域住民に感謝している地主の心理につけ込み、UQ側は「基地局の設置は地域住民の人たちに非常にためになる」と言葉巧みに近づき、それに惑わされた地主がやむなく契約に至っており、その後はすべて「オーナー様に意向」と社内の部署を説得し、工事を進捗を画策している。
 8 予定地の隣地も不在地主であるが、「工事については了承済み」とのUQ側の説明なので、確認に伺うと地主は「絶対反対と断ったはずだ」とその場でUQの担当者に電話を入れ、文書での回答を迫っている。
  同様なその場限りの言動は説明会においてもたびたび見受けられ、そこを厳しく衝かれて担当者も段々言い訳が出来なくなっていた。
 9 第3回目の話し合いで、UQ側の工事続行通告に対し、自治会側より「どうしても工事を行うというのであれば、人体への影響、倒壊落雷等への被害、TV等への影響、ストレス、景観、地価の下落などについての見解及び対策を文書で回答せよ」と要求したが、相手にとってはできない相談で、最後まで回答はなされなかった。
 10 県会議員が積極的に先方へ出かけ、住宅地の中ではなく周囲の山林など公の土地を探したらどうかと話した結果、UQの担当者が計測機器を持って付近の公共用地を歩く姿が見られている。また市のほうに「供与できる土地がないか」と問い合わせがあったようである。

総括
 今回の事件解決の鍵はいろいろ考えられるが、下記のような事柄が事件の早期終結に功を奏したのはなかろうか。
(1)現場直前に住むI氏夫妻の危機感といち早い行動力。
(2)地域住民の協力と団結。
(3)インターネットによる情報の収集。
(4)相手の出方を予測し、常に先手を打った行動。
(5)県会、市議会議員の素早い対応を行動力。
(6)中心として動いた当事者のI氏夫妻、自治会長、前自治会長などの人脈、話し合い、文書作成など、それぞれの経験と持ち味を生かした動き。
 最後に、今回種々の資料を提供され、また指導を賜った電磁波問題市民研究会様には、あらためて感謝の念を捧げる次第です。

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