スマートメーター危険説は「刺激が欲しい方々の茶飲み話」 CS支援センターに質問状

 電磁波問題市民研究会は、特定非営利活動法人化学物質過敏症支援センター(CS支援センター)に対して、以下の通り公開質問状を送付しました。


2017年3月24日

特定非営利活動法人
化学物質過敏症支援センター
理事長 広田しのぶ 殿

公開質問状

電磁波問題市民研究会
代表 野村 修身  

 平素より化学物質過敏症支援等のためにご活動しただき、ありがとうございます。

 貴法人発行の「CS支援第95号」(2017年2月23日付)に羽根邦夫氏による「大気汚染と血液脳関門と認知症そして化学物質過敏症」と題する記事(以下「本件記事」と言います。)が掲載されました。本件記事中に、「スマートメーターを危険とする説が、日常生活に刺激が欲しい方々のお好きな、茶飲み話程度であった」という文言が書かれていることを知り、私たちは驚きました。
 生活環境中の電磁波に反応して様々な症状が出る電磁波過敏症の方々が、スマートメーターから出る電磁波の影響を真剣に心配しています。また、スマートメーターによって、電磁波過敏症が悪化した等の健康被害を訴えている方々もいらっしゃいます。本件記事は、こうした方々を侮辱する表現に他ならず、化学物質過敏症発症者の支援を目的としたNPO法人の会報に上記のような文言が掲載されることは、あってはならないことと考えます(化学物質過敏症発症者の方々の多くが電磁波過敏症を併発していることは、貴法人もご存知の通りです)。

 本件記事に先立って貴法人が発行した「CS支援第90号」(2016年4月25日付)には、やはり羽根氏による「付録 スマートメーターについて」と題する記事(以下「前回記事」と言います。)が掲載されました。この前回記事は、スマートメーターからの電磁波について「一般市街地用は10mWの無線通信機で、帯域が狭いので家庭用の無線LANやWiFiより送信電力は小さい。室内のメーター背面から1m離れれば検出不能」「通信の頻度は、無線マルチホップ方式が周辺のメーターの密度に依存するので、一概に言えないが、30分ごとに0.1秒程度の送信を行う程度」を根拠として、「マルチホップ方式とWiFi方式は電磁波過敏症でも無視できます」と断定しています。

 この前回記事に対し、当会は「電磁波研会報第100号」(2016年5月29日付)に掲載した記事で、「電磁波過敏症でも無視できる」という結論には疑問があること、および、その結論の根拠として羽根氏が挙げているデータに誤りがあることを、以下の通り指摘しました。
(1)市街地で主に採用される通信方式である無線マルチホップの最大出力は「10mW」ではなく「20mW」である
(2)無線マルチホップはバケツリレー方式でデータを受け渡しするので通信頻度も「30分ごと」ではなく、コンセントレーターにもっとも近いスマートメーターは30分間に数百回通信する場合もあり得る
(3)スマートメーターはすべての家庭や事業所に設置されようとしているので、高密度設置による影響も考慮すべきである
(4)そもそも、電磁波過敏症の方が「無視できる」電磁波の強さについて確たるデータは存在しない

 貴法人は、前回記事に対する上記の通りの指摘に対して、公に何の反応を示すこともないまま、本件記事の掲載に至りました。
 つきましては、以下の通り質問します。本質問状送達から1カ月以内に文書にてお返事ください。

1.電磁波過敏症の方々は「刺激がほしくて茶飲み話」をしているのではなく、スマートメーターの電磁波を真剣に心配しています。本件記事中の文言は、過敏症の方々を侮辱するものであり不適切であるから、貴法人は撤回のうえ謝罪すべきであると私たちは考えますが、貴法人はどう考えますか? 理由とともにお答えください。

2.スマートメーターによって電磁波過敏症が悪化したという訴えを複数の方々がされていることについて、貴法人はご存知ですか? ご存知の場合、それらを貴法人はどのように受け止めていますか?

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