5G基地局設置促進のための都有財産開放政策 都立高校が狙われている ! !

都有財産などに設置した5G基地局の数=都のウェブサイトより

 第5世代移動通信システム(5G)を早期に普及させようと、東京都は携帯電話事業者へ都有財産を「開放」しています。「ご希望でしたら基地局設置場所としてすぐにでも提供できますよ」という都所有の建物、工作物、土地を、都のウェブサイトで公開しています。15377件にも及ぶ都有財産の中で、特に都立高校が狙われているようなのです。
 都によるこの政策は、都有施設という公共性が高い場所の利用者への電磁波被爆を増やすおそれがあり極めて問題なので、2020年3月、日本消費者連盟、市民科学研究室、電磁波問題市民研究会の連名で、都に公開質問状を提出しました

5市区の財産も「開放」
 都のウェブサイトには、都有財産のリストのほか、都内4市区(狛江市、稲城市、豊島区、港区)の所有財産のリストも掲載されています。これら4市区と江戸川区(財産リストは非掲載)の5市区も、都と同様、所有財産を携帯事業者へ「開放」しているからです。
 都が6月に更新した情報によると、今年3月までにこれらの財産に設置された5G基地局は計225件です(右上のグラフ)。日経産業新聞の11月10日付記事によると、来年3月末までに300件に達するとのことです。この記事には「キャリア(携帯電話事業者)からは基地局としての適性が高い都立高校など4~5階建て建物への設置要望が多い」と書かれています。なに? 若者が長時間過ごす高校に基地局だと!

「都立高校と都立病院が多い」
 これは大変だと、私は都の担当部署である「デジタルサービス推進部つながる東京推進課」へ電話して「都が5G基地局用に提供した都有施設のリストはあるか」と尋ねました。担当者のHさんは「公表していない」。理由を尋ねると「公表すると、基地局にいたずらされる恐れがあるので、携帯事業者が公表しないよう求めている」とのこと。国などの常套句「テロに遭うから」より微妙にかわいい表現です。「設置場所候補は公表しているのに、設置された途端に公表しなくするのはおかしい。都の施設なのに都民が知ることがきないのは納得できない」と追及しましたが、Hさんはやはり態度を変えません。「具体的な場所ではなく、種類別ではどうですか?」と食い下がったところ、Hさんは「全体の9割が建物で、都立高校や都立病院が多い」と教えてくれました。やっぱりそうなのか。特に用心すべきは、お子さんが都立高に通っている方です。【網代太郎】

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