宮崎県延岡市の携帯電話基地局からの電磁波で健康被害を受けたとして、住民39人がKDDIを相手取って基地局の操業差し止めを求めた訴訟で、最高裁は10月20日、上告棄却の決定を出しました。これで2009年から始まった訴訟の、住民側敗訴が確定しました。たいへん残念です。
原告団長の岡田澄太さんから、以下の通りのメッセージをいただいております。
「私たちは、この最高裁に対して、一審、二審では住民側が敗訴するも、その判決で『基地局が設置されたときから、基地局周辺に住む多数の住民に耳鳴り、肩こり、鼻血等の症状が一斉に出ている』ことを認めていることから、『住民の実態を見極めた判決』を期待しましたが、残念ながらその願いは通じませんでした」「なお、『裁判』で我々の撤去の訴えが認められなかったとはいえ、依然として携帯基地局は存在し、地域住民を見えないムチで打ち続けていることは事実です。私たちは、これからも、平穏な日常を取り戻すため、みんなの健康と財産を守るため、基地局の撤去に向けて闘いを続けます。上告棄却を受けて、現在、原告と地域住民及び弁護団において今後の撤去に向けた闘いについて協議しています」「今後とも延岡市大貫町住民のKDDI携帯基地局の撤去活動を見守りください」。
この基地局は来年秋に10年の更新時期を迎えることから、地区の協力も得て契約が更新されないよう働きかける方針であると、10月24日付朝日新聞宮崎版は報じています。今後とも、延岡の闘いを支援していきましょう。【網代太郎】