医療機関内ケータイ緩和指針が公表

 「電波環境協議会」は8月19日、「医療機関における携帯電話等の使用に関する指針」を公表しました。同指針については、その案を6月30日に発表し、7月22日まで意見を募集しました。当会は指針案への反対意見を提出しました(会報前号既報)。
 意見募集結果によると、14件の意見が寄せられて、だいたい半分は批判的な意見であるように読めます。にもかかわらず、案とほぼ同様の指針となりました。

市民をバカにした回答
 当会は4点に渡って反対理由を示しました。それらのうち「電磁波過敏症発症者の受診・入院が困難になる」「高周波電磁波を国際がん研究機関(IARC)がグループ2B(ヒトに対して発がん性があるかもしれない)と評価していることなどから医療機関内での電波利用は抑制すべき」という私たちの2点の主張に対して、同協議会は一括りにして「本指針は電波の医療機器への影響や医療機関内のマナーの観点等を考慮して定められています。携帯電話等の無線局からの電波の人体への影響については(略)本指針では対象外としております」との「考え方」(回答)を示しました。
 この回答は極めておかしな内容です。当会は意見の中で「無線局」について一言も言及していません。しかも、IARCは「無線局からの電波」を特定して2Bと評価したわけでもありません。同協議会は、この程度の基礎的な知識も持っていないのでしょうか。それとも、知ったうえで「市民にはテキトーに答えておけ」という考え方でこのように回答したのでしょうか。この指針を作ったのは産業界や学会のお偉いさんたちですから、まさか知らないはずはなく、おそらく後者でしょう。【網代太郎】

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